第4に、米国の製造業回帰のけん引効果は微々たるものだ。中国の貿易黒字の大部分は労働集約型産業から発生するもので、中米が分断すれば、この産業は東南アジアやラテンアメリカ諸国に移転される可能性が高く、米国には戻らない。米国への産業回帰に関する事例が報じられてはいるものの、まだ流れを形成するには至っておらず、マクロ統計にも表れてはいない。
47年前、中米両国の首脳は戦略家の政治的勇気と知恵で、「太平洋を跨いだ握手」を実現し、交流の扉を再び開いた。中米両国はここから、経済貿易・エネルギー・環境・文化などの面で深く融合し、両国の人々ひいては世界の人々に大きな利益をもたらした。今になって、米国の一部の人間が歴史を後退させ、大海を湖に、大陸を孤島に後退させようとすれば、それは流れに逆らう無謀な抵抗に他ならず、世界を混乱させ、自国の景気も悪化させることになる。