3大通信事業者はこのほど、上半期の最新の業績を発表した。中国移動の売上は前年同期比0.6%減の3894億2700万元、純利益は14.6%減の561億1900万元で、過去10年で最大の下げ幅となった。売上が減少したのは中国移動だけではない。中国電信の今年上半期の売上は1.31%減の1905億元、中国聯通は2.8%減の1450億元。
純利益を見ると、中国電信と中国聯通は成長を実現した。中国電信の今年上半期の純利益は前年同期比2.5%増の139億元。中国聯通は16%増の69億元。しかし絶対数を見ると、両社の純利益を合わせても中国移動の半分にも満たない。
通信業界アナリストの付亮氏は、「3大通信事業者は今年上半期、モバイル通信、モバイルネットワーク、有線ブロードバンドなどの個人向け事業の売上が振るわず、マイナス成長さえ見られた。これにより通信事業者全体の売上が低迷した」と指摘した。
データを分析すると、3大通信事業者が通話事業の収入減、インターネット・通信料事業の収入の伸び悩みという苦境に直面していることが分かる。実際には細分化事業の変化を見ると、通信事業者が市場開拓に力を入れていることが伺える。例えば中国電信はモバイルユーザー数の伸び率が最も高い通信事業者で、ユーザー規模ですでに中国聯通を抜き2位につけている。中国移動はブロードバンドユーザー数の伸び率が最も高い通信事業者で、ユーザー規模ですでに中国電信を上回り首位を占めている。
しかしながら専門家は、伝統的な通信事業市場はすでに飽和に向かっており、通信料のボーナスが急速に失われつつあると判断した。さらに通信市場の競争の激化、通信速度向上・料金引き下げの各種措置の持続的な推進により、通信事業者は規模が拡大しながらも売上が拡大しないという苦境を脱することが困難だ。
市場調査会社・賽迪顧問の情報通信産業研究センターの李朕アナリストは「速度向上・料金引き下げは通信事業者に料金引き下げを促した。また携帯電話番号ポータビリティを受け、通信事業者が料金引き下げにより古いユーザーを引き留めようとし、売上が減少している。通信事業者がユーザー引き留めにこれほど力を入れるのは、5Gがより大きな経済効果をもたらし、この低迷の流れを逆転させることができるからだ」と指摘した。