中国で改革開放の実施以降、農村居住者の所得が急速に増え、消費水準も大幅に向上した。中国国家統計局の統計によると、2018年の中国の農村居住者1人当たり可処分所得と消費支出はそれぞれ1万4617元、1万2124元に達した。1978年はそれぞれ134元、116元だった。農村の「お財布」が膨らみ始め、生活にも大きな変化が起こったことは、詳細なデータから確認できる。
食品が不足から充足へと変わり、農民の胃袋を満たしている。2018年の農村居住者の1人当たり食品・酒・タバコ向け支出は3646元と1954年に比べ88.1倍増となった。消費水準が向上すると同時に、品質に対する要求も高まった。
肉、卵、ミルクももちろん欠かせない。2018年の農村の1人当たり豚肉消費量は1954年比5.2倍増の23kg、卵類は9.5倍増の8.4kg、ミルク類は6.9kgとなった。かつての食うや食わずの日々には二度と戻ることなく、多くの都市で口にし難い味を農村では味わうことができる。
食が満たされると共に衣も充実した。1954年の農村の1人当たり衣類消費支出はわずか7.8元で、防寒の必要性から衣類はほぼ手作りだった。改革開放の実施後、農村の衣類に対する需要は防寒から美しさへと変わっていった。2018年の1人当たり衣類消費は648元と、1954年に比べ82倍増となり、ファッションと個性が新たなニーズとなった。