発展途上国の企業が資本市場の寵児になる機会が増えている。新興経済のニーズに合わせた商品が増加し続けている。アジア・アフリカ・ラテンアメリカの経済一体化が世界経済の見通しを明るくしている……。いま発展途上国はグローバル経済のエンジンになりつつある。それは国民に幸福をもたらすと同時に、バランスのとれた互恵的な世界経済発展を促している。
“新興の寵児”を迎え続ける資本市場
インドで創業されたドクター・レディーズ・ラボラトリーズがニューヨーク株式市場に上場し、数十億ドルのグローバル製薬企業となった。同社は現在、2万名を超す社員を抱え、インド、中国、イギリス、アメリカ、メキシコに工場を持つ。
創業者のアンジ・レディー氏はインドの中南部の農家に生まれた。薬品の原料生産と製剤から身を起こし、徐々に国際市場を開拓。企業合併と研究センターの建設を繰り返した結果、現在では自主開発薬の生産に取り組むまでになった。
先進諸国の資本市場では、ドクター・レディーズ・ラボラトリーズのような新興国企業の上場が増えている。ニューヨーク株式市場の最新レポートによると、同市場に上場する2400社のうち、ラテンアメリカの企業が100社以上、アフリカの企業が7社、インドの企業が12社ある。
急激に成長する発展途上国の優良企業が成熟した資本市場で上場することは、上場企業にとっては成長のための資金を獲得できるメリットがあり、西側の資本家にとっては発展途上国の経済成長がもたらす利益を享受できるメリットがある。