製造業のグローバルな構造変化にどう対応するか

製造業のグローバルな構造変化にどう対応するか。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの国で製造業の国内回帰の動きを見せつつある。米国や日本、そして一部のヨーロッパ諸国は製造業の国内回帰に有利な政策を打ち出す方針を発表…

タグ:コロナ ウイルス 製造業 貿易戦 

発信時間:2020-04-21 15:23:53 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、多くの国で製造業の国内回帰の動きを見せつつある。米国や日本、そして一部のヨーロッパ諸国は製造業の国内回帰に有利な政策を打ち出す方針を発表。客観的には、これほどのコロナ禍による衝撃で、従来の産業チェーンのグローバルな分業・仕組みが少なからず調整されるのは必至であろう。特に一部の国が医療・薬品関連業界の一部国内回帰を進めるのは恐らく免れないだろう。(復旦大学米国研究センター 宋国友副主任)


 全体的には、短期間で製造業の国内回帰が大規模で行われることはない。多国籍企業がわずかな移転費用や税収減免のために大規模に中国から撤退するはずがない。これは賢明な選択ではない。中国商務部の報道官は先週も「コロナ禍は中国の外資系企業にある程度の影響はあるが、大規模な外資撤退という状況はないし、今後も起きない」と述べた。


 しかし中国の製造業に対する自信の多くは製造業の棚卸資産が引き続き中国国内にとどまるだろうという自信であることも認識しておかなければならない。コロナ禍収束後の世界の製造業の新規投資の新たな動向については十分に推測を立てる必要がある。


 まず、「再国家化」思潮により政府は普遍的に市場に干渉するようになる。ほぼすべての国で新型ウイルスは政府の経済活動における地位を拡大している。これまで市場への介入が少なかった政府も新型ウイルス対策のため、自らの経済調整と資源調整の能力を引き上げた。ウイルス対策へのストレス性の本能にしろ、コロナ禍収束後の経済成長と雇用保障という政治的考慮からにしろ、どの政府も市場主体に圧力をかけ、関連企業に国内投資を迫るだろう。


 第二に、多国籍企業が自主的に産業チェーンの供給安全という角度からリスク分散化を図る可能性もある。新型ウイルスは正常な産業チェーンの運転を阻害し、従来需要と供給がうまくいっていた産業チェーンを中断させた。多国籍企業は新型ウイルス収束後の投資の際にリスク分散の問題をより考慮し、生産を一国に集約して直面する恐れがある過大なリスクを回避せざるを得ないだろう。新型ウイルスの影響を受け、中米貿易戦の際にみられた「中国+X」という投資モデルがさらに強化されるかもしれない。


 第三に、製造業の国内回帰を刺激する米国の政策の相加効果があげられる。米国はこのところ製造業の国内回帰に有利な税収、財政、金融政策を相次いで打ち出している。いまのところそれほど効果はみられず、製造業の国内回帰について特に取り上げることもない。問題は、米政府が政策効果の限界をあたかも気に留めていないという客観的要素と、主観的には、様々な政策を執拗に積み上げようとしていることだ。中国からの輸入品への関税がいまだ撤廃されない状況にあって、新型ウイルスを盾に新政策を打ち出しているといえる。そのためここ数年強行した政策がある程度の効果を発揮する可能性を排除できない。

 

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