恐らく新型ウイルス収束後、各国はさらに激しい製造業のグローバル競争を繰り広げるだろう。一部の国の意図は非常にはっきりしている。資源投入を増やし、手段も選ばなくなるだろう。現在の産業クラスターと市場規模からみると、中国の製造業の優位性は損なわれず、その規模も維持するだろう。ただ、油断してはならない。産業チェーンの世界構造が大きく調整される可能性に目を向ける必要がある。国家間の競争という角度から、中国は特に次の2つの可能性に注意しなければならない。
一つは、欧米日による産業チェーンのグローバルな戦略提携。欧米日の多国籍企業は世界の多数を占める。欧米日が戦略的に提携して産業チェーンを分担すれば、製造業の構造に大きな影響を与えるだろう。目標が一致しなくても、欧米日または複数の先進国が連携するのは市場にとって良くないシグナルともいえ、多国籍企業の投資に影響を与えるだろう。
2つ目は、米国などによる「ミドルエンド分散、ハイエンド切り」の競争戦略。労働力集約型業界がいまだ中国の製造業の強みであることを米国はよくわかっている。そこで米国は関税徴収などの手段を使ってミドルエンド製造業を国外に追い出そうとするだろう。そして先端製造業と新興製造業に目を付け、量子科学や人工知能などの先端製造業を資金面や政策面で支援し、中国の華為(Huawei)などのハイテク企業にダメージを与え、ハイエンド製造業において中国よりも優位に立とうとするだろう。
世界的な産業チェーンの新たな変動に対して中国は有利な条件とともに、不利な新しい状況も判断する必要がある。中国の産業チェーンを揺るがす制約的要因を積極的に解決し、産業チェーンの構造の安定を確保し、国内市場に立脚し、製造業をグレードアップさせ、産業チェーンの世界的構造における影響力を着実に高めていく必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年4月21日