「今年の中国経済は5.2%の成長が予想される」――国際通貨基金(IMF)はこのほど発表した「世界経済見通し(WEO)」の改訂版で、2023年の中国経済成長予測を大幅に上方修正し、0.8ポイント引き上げた。
このところ国際機関や投資機関が相次いで、今年の世界経済情勢について最新の見通しを発表している。米国やユーロ圏など先進国の経済成長見通しが軒並み鈍化するなか、中国の経済成長見通しが各社の報告で大きくクローズアップされている。国連が報告書で今年の中国経済は成長加速すると予測したほか、2023年の中国経済成長率予測について、ゴールドマン・サックスは4.5%から5.5%に、モルガン・スタンレーは5%から5.7%に引き上げ、JPモルガン・HSBC・バークレイズ・UBS・ドイツ銀行・仏ナティクシス・野村証券なども上方修正した。
中国経済はなぜ国際的な「信任」を勝ち取ったのか?その答えはそれが示す実力と回復力にある。
まず、政策が「優れて」いるうえ「新しい」。今年1月8日、中国の新型コロナウイルス感染症は約3年間の防疫措置を経て「乙類管理」となった。防疫対策は状況に応じて見直され、人々の生命と健康を最大限に守るだけでなく、経済回復に大きなプラスの効果をもたらしている。国連・IMF・OECDなどは、「中国の防疫政策の見直しが経済成長見通しを改善する」との見方で一致している。マクロ政策も重要な要素だ。春節明け最初の国務院常務会議では、経済安定化に向けた複数の措置が明らかになった。金融システムについては消費拡大と有効投資のための支援を強化し、商務部など5部門は老舗企業の革新的発展を後押ししブランド消費を促進する文書を発表――など、2023年に向けて新しい政策措置が相次いで発表され、経済の回復・発展への意気込みが示された。モルガン・スタンレーのアジア担当チーフ・エコノミストであるチェタン・アヤ氏は、「財政政策・金融政策・防疫対策の相乗効果により、中国は政策面で引き続き市場の期待に応え、年間を通じて成長見通しを押し上げる」とみている。