上海市松江区の処寬R麓にある桃林で、同種の望遠鏡の中では世界4番目の総合性能を誇る65メートル電波望遠鏡の建造が29日、始まった。「上海光源」に続き、中国科学院と上海市政府が再び共同で上海に建造する大型科学装置だ。新華社のウェブサイト「新華網」が29日伝えた。
中国科学院の勝兜カ竜副院長によると、各種の科学的用途に使え、すべてのアンテナが回転可能な電波望遠鏡の建造は、中国の深宇宙探索における軌道決定精度を高め、月探査衛星「嫦娥」プロジェクトや火星探査、遥か彼方の深宇宙探査に向け、正確な位置や軌道決定など技術的なサポートを提供する。また、超長基線電波干渉網(VLBI)の感度を大幅に高めることにもつながる。
65メートル電波望遠鏡は08年7月のプロジェクト立ち上げ以来、中国科学院、上海市政府、中国月探査プロジェクトが2億元余りを共同出資して建造を進め、中国科学院上海天文台が運営責任を担っている。2012年9月末にアンテナ構造の取り付けが完成する予定で、2013年から2014年に月探査第2プロジェクトのVLBIによる軌道測定を行い、2015年には電波望遠鏡システムの建設がすべて完成する計画だ。
「人民網日本語版」2009年12月30日 |