このほど北京で開催された「大学における社会科学研究・地方経済社会発展トップフォーラム」において、ある専門家は「現在、大学が行っている国家科学技術難関突破プロジェクトは全国総数の4分の1を占める。近年、大学の自然科学研究成果の多くが、実際の生産の場面に転化されている。一方で、人文・社会科学類研究成果の転化は明らかに不足している。社会科学研究成果の転化率はわずか5%-6%であり、産業を形成しているのは3%にすぎない」と述べた。「科技日報」が4日に伝えた。
専門家によると、社会科学研究の転化率が低い原因として、注目に値すべき2つのポイントがあるという。
第1に、奨励制度の不足。社会科学成果は最終的には社会的利益となり、経済利益を直接上げるとは限らないため、大多数の社会科学成果は往々にして、権威ある雑誌などに成果を発表したり、業界内で賞賛と名誉が与えられたり、資格を与えられたり、賞を受賞するのみで終わってしまう。
社会科学と社会、企業、市場間に合理的な利益の結合点がないために、社会科学成果の転化が市場からの支持を得られない。
第2に、転化ルートがスムーズでないことが挙げられる。社会科学成果の転化には、第1次転化と第2次転化がある。第1次転化とは、研究者が成果を発表することを指し、一般的に学術界内で転化され、範囲は非常に限られている。第2次転化とは、科学成果を引き続き掘り下げていくことで、すなわち成果の転化である。これはテレビ、ラジオ、ネットワークなどのメディアで行われたり、学術講座、学術フォーラムなどの形となるため、教師だけでは実施できず、大学と社会間にプラットフォームを打ち立てる必要がある。
「人民網日本語版」2010年1月4日 |