中国のシステムエンジニアリング企業である北京広利核系統工程有限公司はこのほど、国家核安全局の交付する「民用原子力セキュリティ電気設備設計・製造許可証」を取得した。広利核公司はこれにより、民用原子力発電所におけるデジタル化されたセキュリティ計装・制御(I&C)システムの研究・開発・製造を行う能力を有することとなった。
原子力セキュリティに関するNC装置(機械などの動きを数値的に制御するシステム)は、原子力発電所の「中枢神経」とも言われている。しかし中国で現在運行中、および建設中の原子力発電所におけるセキュリティI&C設備は全て輸入品で、要となる技術はこれまで、少数の多国籍企業に独占されており、このことは、中国の原子力発電の国産化を制約するボトルネックとなっていた。
国家環境保護部核安全管理司の劉華司長は、「知的所有権を有する同システムは、同分野における国外メーカーの独占を打ち破るだけでなく、国内の技術的空白を埋めるものになるだろう」と述べる。広利核公司は、中国広東核電集団と北京和利時系統工程有限公司の共同出資で設立された有限責任公司であり、原子力発電所のデジタルI&C設備の設計、システムインテグレーション、技術サービスなどの業務を専門的に行っている。
「人民網日本語版」2010年4月7日