先般開催されたパリ卓球大会で中国勢は当初の予想どおり、男子、女子シングルスで好戦績を示した。一部の人たちの間では、混合ダブルスや男子ダブルスのカップを逃したのは残念だ、という見方もあるが、卓球界の主だった人たちの話では、リオ・オリンピックを視界にとらえてシングルスに力を入れ、ダブルスは若手新人に国際試合の経験を積ませることにしたらしい。
また、今回はパリで、中国が構想している国際卓球学院の分校と国際卓球トレーニング・キャンプの設立をめぐってさらに進捗が見られたことも大きな収穫だと言える。ヨーロッパの一部の国では、中国の卓球トレーニング法が注目されており、できればそういうシステムの中でトレーニングを体験してみたい、という人もかなりおり、このプロジェクトはそのうちに現実化すると見られている。
しかし、これは中国にとって手ごわい競争相手を育てることになるのではないか、という人もいる。中国卓球界の権威ある人たちは、世界の卓球のレベルアップによって、中国はさらに伸びることになる、というプラス思考をしている。こういう学校あるいはキャンプをつくることは、世界のスポーツ界にとっては新たな試みと言える。
また、最近、浙江省の寧波で開催された女子バレーボール国際試合でナショナルチームの監督に就任したばかりの郎平さんの率いる選手たちがプエルトリコ、タイ、キューバなどの強豪を破って1位となったことは、ファンにとっては朗報であろう。キャリア、実力の面でピカ一の存在である郎平さんが、このところ低迷気味のチームを率いて、はたして好戦績を示せるのかと一抹の不安を抱く人もいた。ファンたちは郎平さんにプレッシャーがかかるのではないかと心配していたのだ。今回は、ファンたちもホッとしているが、強豪のひしめく女子バレー界のこと、中国チームはこれからも幾山川を越えていかざるを得ないであろう。
さらに陸上競技でも110メートル・ハードル、200メートル短距離、走り幅跳びなどで好成績が出ている。
これまでパッとしなかったサッカー種目も、企業の後援で30人の少年をスペインに送り込むことになった。30人の中からやがては優秀な選手が現れてくるに違いない。
三年後のリオ・オリンピックを前にした中国スポーツ界の動きから目を離すことができない。スポーツ大国からスポーツ強国になることは、チャイニーズ・ドリーム(中国の夢)でもあり、それの現実化は夢物語ではないと思っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月31日