気候変動に対応する 中国の政策と行動(2011)

気候変動に対応する 中国の政策と行動(2011)。

タグ: 気候変動 中国の政策と行動 国務院報道弁公室

発信時間: 2011-12-19 12:00:16 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

二、気候変動への適応

「十一・五」期に、中国は気候変動の科学研究とアセスメントを強化し、法規・政策を完全なものにし、重点分野の気候変動への適応能力を引き上げ、気候変動が経済社会の発展と人民の生活にマイナスの影響を与えることを軽減している。

(一)農業分野

農地水利などのインフラ施設の建設を推進し、農業の総合生産能力を高め、大規模な干ばつ・冠水に見舞われても収穫が確保される基準農地の整備を進め、大型灌漑区における関連施設の増築と大型灌漑排水・揚水ポンプステーションの更新改造をくり広げ、農業灌漑面積を拡大し、灌漑効率を高め、農地の節水技術を押し広め、農業用水料金の総合改革すなわち末端用水路節水改造モデル事業を推し進め、災害対応能力を高めている。農業の気象観測と予警報システムを構築し整備している。生産量が多く、品質が優れ、干ばつ、洪水、高温、病虫害などに耐性のある品種を研究・育成し、優良品種の作付け面積を拡大し、農作物の優良種子の助成にさらに力を入れ、優良品種の育成、栽培、普及の一本化プロセスの推進を速めている。現在、全国の主要農作物の優良品種のカバー率は95%以上にのぼり、優良品種の食糧増収への貢献率は40%前後に達している。

(二)水資源分野

全国水資源総合計画、七大河川流域の洪水予防計画、全国山土石流災害予防計画、全国都市飲料水水源地安全保障計画、全国の主要河川・湖水の生態保護計画などの特定項目計画を策定した。流域管理と水資源調整事業を強化し、「引黄済津」(黄河から導水し天津を救うこと)、「引黄済冀」(黄河から導水し河北省を救うこと)、「引江済太」(長江から導水し太湖を救うこと)などの応急導水プロジェクトを実施し、また黒河、タリム河の生態補水も行っている。最も厳しい水資源管理制度の実行を加速し、水資源の開発、利用、節約、保護の政策システムを整備している。一連の流域洪水予防重点プロジェクトに着工し、基幹水利中枢と重点水源プロジェクトの建設を速いテンポで行っている。水土流失の総合対策を強力に推し進め、水土保持の総合対策面積を23万平方キロメートル完成させている。計画に組み入れられた全国の老朽化した大中規模・重点小規模ダムの安全補強任務を完了させている。農村の飲料水安全保障事業への投入を増やし、2億1000万人の農村人口の飲料水安全保障問題を解決し、国連ミレニアム開発目標(MDGs)の関連目標を6年繰り上げて実現した。

(三)海洋分野

海洋気象観測ネットワークの構築を強化している。海洋観測システム構築の推進を通じて、全国の近海と一部の海洋におけるカギとなる気象要素の観測能力を初歩的に形成し、典型的な海洋の生態センシティブエリアのモニタリングシステムをほぼ構築し、海洋―大気間の二酸化炭素交換量に対するモニタリングシステムの能力レベルを効果的に高めている。全国と沿海の省レベルの海洋機能区画を全面的に制定、実施し、海域の海岸帯と重点的な海島の整備・修復工事を展開している。マングローブ栽培・移植、サンゴ礁の移植保護、海岸湿地の砂浜復元などの海洋生態復元モデルプロジェクトを積極的に推し進めている。高潮、高波、津波や海氷などの海洋災害に対する観測・予警報活動をくり広げ、さまざまな海洋災害による死傷者数と財産の損害が効果的に減少している。海面上昇、海岸侵食、海水浸入、土壌塩害モニタリング、調査、アセスメント事業を推し進め、沿海部の94の潮汐観測所の潮位基準に対して新たに査定を行っている。中国近海の海洋総合調査と評価を推進し、中国の海洋災害における時空分布の特徴を系統的にまとめている。年度ごとに中国海洋環境情況公報、中国海平面公報、中国海洋災害公報を発表し、各種の海洋災害への効果的対応と防御のためのサポートを提供している。

(四)衛生・健康分野

『全国自然災害衛生応急対策案(試行)』を配布し、洪水・旱ばつ災害、気象災害、生物災害など自然災害の衛生応急事業の目標と原則を明確にし、自然災害衛生応急事業メカニズム、対応のクラス別と対応措置を確立し、異なる自然災害の衛生応急事業方案を制定した。『高温・熱中症事件衛生応急対策案(試行)』と『国家環境・健康行動計画(2007~2015年)』を制定した。飲料水の衛生、空気汚染の健康への影響、気候要素に関連する汚染・疾患のモニタリングおよび媒介伝染寄生虫病や水媒介感染病に対する気候変動の影響などの研究を組織してくり広げ、気候変動の環境関連疾病への影響メカニズムを研究し、気候変動適応の政策と措置を研究し制定するための技術的サポートを提供している。

(五)気象分野

気象部門は『天気研究計画(2009~2014年)』、『気候研究計画(2009~2014年)』、『応用気象研究計画(2009~2014年)』、『総合気象観測研究計画(2009~2014年)』を公布、実施し、『中国気候観測システム実施法案』を配布し、中国の気候変動のモニタリング、予測、評価事業を促進している。中国の第1世代の短期気候変動予測に関する非静力学気象モデルシステムを構築し、次世代のグローバルな気候システムモデルを研究開発し、気候変動の食糧安全、水の安全、生態安全、人間の健康・安全などの諸方面に対するアセスメント事業を推し広めている。

 

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