近頃、全国の多くの地域でアリゲーターガーが確認され、この新たな外来種に多くの人が興味を持っている。アリゲーターガーは北アメリカ原産の淡水に生息する巨大肉食魚。北米に生息する7種のガー科の中で最も大きく、体長は3メートルにもなる。繁殖力が高く、食欲旺盛で水中の生物を何でも食し、硬い鱗は各種の獰猛な肉食動物からの威嚇を逃れることができる。アリゲーターガーの肉は猛毒で食すことができない。
農業農村部外来種予防管理実験室の劉万学主任は、「アリゲーターガーは外来種で、国内に入り水生生物チェーンの頂点に立った。自然水域に一旦入ると、現地の水系の生態系に壊滅的な被害を及ぼす可能性が高い」と話す。現在、各地域がアリゲーターガーの捕獲運動を実施している。
外来種がなぜ入ってきたのか。国際自然保護連合(IUCN)は、外来種は自然と半自然の生態系と生息環境に構築された種と定義している。現地の生物多様性に変化または危害をもたらした場合は外来種、それによる危害は外来種侵入となる。統計によると、外来種の約10%が新たな生態系で繁殖し、繁殖した外来種の約10%が生物被害をもたらし、すなわち外来種の1%が被害をもたらす種ということになる。
中国は外来種による危害が最も深刻な国の1つである。生態環境部が2021年5月に発表した『2020中国生態環境状況公報』によると、全国で660種以上の外来種が確認されている。うち71種は自然生態系に脅威(潜在的脅威を含む)をもたらすとし、『中国外来種リスト』に盛り込まれた。660種以上の外来種の中で最も多いのは植物で、半分以上の370種に達する。次に多いのは動物で220種、3分の1を占める。
中国は外来種の侵入対策を重視し、2003年、2010年、2014年、2016年に四度にわたり『中国外来種リスト』を発表し、対策を年々強化している。
今後、外来種対策をどのように進めるか