写真:福島の避難所で作業員が乳児に放射線検査を行っているところ。この乳児は3月15日に福島第一原発から50キロ離れた病院で生まれた。
ドイツのある研究で、放射線が胎児の性別に影響することがわかった。今後数十年間、おそらく世界で女児の誕生が数百万人減少し、男女比率に偏りが出るという。
◆男児の増加は放射能と関係
ドイツの研究センターが米国および39の欧州諸国の1975年から2007年までの人口資料を調べたところ、1964年から1975年までの男児の数が異常に増加していることがわかった。東欧では1986年以降同じ現象がみられた。
前者の原因は60年代から70年代にかけて原子爆弾実験が行われ、当時の放射性粒子が大気層に取り込まれ、気流に伴い全世界に拡散したものと思われる。また、東欧で1986年以降に男児が増加したのはチェルノブイリ原発事故が原因だと考えられる。
さらに放射能の発生源から近いほど、胎児の性別への影響が大きいことがわかった。チェルノブイリ原発事故から2年目、ウクライナの隣国、ベラルーシではフランスよりも男児の数が女児を大きく上回った。ドイツとスイスの原子力発電所から半径35キロ以内の地域でも男女比率に明らかに偏りがある。
◆新たな「男児の増加」が到来