「2」については、消費者(市場)の問題です。
解決に時間がかかる問題かもしれません。伝統的に日本社会では「出る杭はうたれる」社会概念であったり、金持ちは「成金(なりきん)」と呼ばれるなどして、とりわけ経済的に短期的に出世した人物をヨシと思わない文化が多少あったとおもいます。しかし、金融市場が成熟し多くの日本の一般市民が株式投資などを自由にできるようになった年代あたりから、拝金主義というよりも、一攫千金主義といいますか、汗をかかずに大きく稼ぐ、米国ウォール街・投資銀行的な成功者が、これまでの伝統とは180度、異なった方向で何らかのカリスマ性を持つようになったと思います。その中で、こうした「ベンチャー的成功者」を崇拝する雰囲気の下地ができあがってきまして、これをうまくマーケティングに利用していくのが、CEOのカリスマ性を利用した商法であるとおもいます(従来もあったはずですが、その基礎がCEOの技術的専門性というよりも、CEOの貨幣獲得的成功の側面をクローズアップしているところがネオ商法の要因)。ここには、実際のCEOの能力であったり、また人柄、人格のようなものが周到に社会に熟知される時間もなく(または企業側が意図的にベールにつつんで、スピードを上げて)、CEOにカリスマ性をもたせ、そしてそのCEO率いる企業というブランディングをおこなっていくわけです。そして、消費者・市場はそれを知らずに、「成功者=良品を提供する者」という誤った図式を描いてしまう穴があると思います。旧来の「良品を提供した専門家そして成功者=良品を提供する者」とは決定的に異なります。
ですから、今回の「スカスカおせち」でも同じようなことがあったのかもしれません(僕自身は当該社長に直接お会いしたことが無いので、確証はありませんが、この商法があったという可能性は否定出来ないでしょう)。
「3」については、企業の問題です。