そのようなテーマのスタートから考えて、その後にレスポンスとしてでてくるソーシャルメディア上の意見に注目します。小さな意見ではなくて、大きなインパクトをもった意見、そしてその一連の現象をみてみます。
日本では、テーマのスタートから、中国に比べて相対的に特別なサイトのようなものができたりするなど組織化が早い、だから集合知となり易いです。掲示板上などでも、その情報をまとめる役の人物がでてきたり、それがプロジェクト化されたり、その組織化にあたって、ある1人ないしは数人のチームに匿名ながら協力してやるという体制がととのったりします。何か、「自分がやって解決してあげたい」という純粋な「互助精神」がでてきているような現象が観測されます。また、ポピュリズムについて、最近はある程度のブームをおこすようになりましたが、それでも中国に比べれば多少客観的に冷めてみているところがあって、すぐに影響をうけないように思われます。所詮、ネット上の真偽のアヤフヤなクチコミでしょ、というような冷めたところがあります。
一方で、中国では、組織化にあたり何か有名人のような人物がでてきてその人物がリーダーを取っていくという形式がみられます。もともと有名になりたい人物が出てくるといったほうが良いでしょうか。この人物の動機として、ソーシャルメディア上での活動の公益的な一環としてあるのではなく、よりリアルな実益に今後結びつけようとするためにでてくる場合が多いような気がします。結果的に日本と同様に集合知となるのですが、中核人物は公益的に貢献しているというよりも、半分公益的、半分は自分のビジネスの為(その他何かの自分の利益のため)というケースが多いように思われます。ポピュリズムについても日本と差異があって、過熱気味なテーマにある種の冷めた意見も入るにははるのですが、熱しやすさの度合いが、日本よりもはるかに高いように思われます。「集団的主張の暴走」の度合いがかなり高いことが観測されます。