最近、経営学の学術目的のために、第三次産業の中で「エンターテイメント産業」についての研究をしています。僕はビジネスでもこの業界にいますので、僕にとっては中国語風に表現すれば「重点作業」ともいえるようなものです。
ところが、先日の大震災の影響で、日本での「エンターテイメント産業」はまさに「お通夜状態」でありまして、これからいつになったら産業的復興の兆しがみえるのかまったく不透明なところではあります。一方で、中国では第三次産業の成長とともに「エンターテイメント産業」への投資額も増加の一途をたどっていますね。まだまだ中国から、世界的な競争力あるエンターテイメントビジネスがでてくるには、あと一歩、もう少しだけ時間がかかるとおもいますが、それでも本当にもうまもなく、世界のみなさんが驚愕するような「面白いビジネス」が出てくる所と思います。
まずは、いくつかの言葉を整理しましょう。ここで言っているエンターテイメント産業というのは、具体的にどういったものを指すかというと、その形態は、映画産業であったり、テーマパーク産業、または広い概念でとらえれば、家庭用ゲーム機も含まれるようになってきているでしょう。ゲーム機本体(ファミリーコンピューター、NINTENDO)だけであった時代には、それは単なる電子機器という「モノ」でありましたが、今では家庭用ゲーム機を媒介してインターネットに接続されることなどによりあたらしくエンターテイメント価値(サービス価値)をうみだすようになっています。
このようにエンターテイメント産業と一言で言っても、モノなのかサービスなのか、カテゴリーにわけられないようなバラバラなイメージをうけますね。そこで、いくつかの「要素ごと」に捉え直してみたいと思います。
上流から下流までを含んだエンターテイメント産業というのは3つの概念を含んでいて、「構造」「方式」と「コンテンツ」の組み合わせをもって、ひとつのエンターテイメント産業を成立させています。「構造」ではサービスという場所や空間を提供することもありますし、またモノという形で先の例のようにゲーム機であったりします。端末のシステムはどういったものが人間に直接ふれるのかということを意味します。テーマパークであれば、そのパークの位置する場所、土地そのものということになります。「方式」はネットワーク型であったり、対面型であったり様々な形態をとるでしょう。端末と端末または端末と中央処理システムがどういった関係なのかを示すようなものです。テーマパークであれば、お客さんがテーマパークでいかに何を楽しむかという実体験の過程ということになります。最後に、「コンテンツ」というのは、その実際の情報であります。それは映像、音楽、その他人間の五感に関わる何らかの信号をもっている情報の集合体であります。楽しいというだけでなく、恐怖心をおぼえるもの(ホラー映画)などもコンテンツとなりえるでしょう。テーマパークではその乗り物やアトラクションで見たり、聞いたり、身体を動かす指示であったりという、消費者に直接入り込む多くの情報ということになります。