みなさんこんにちは、中川コージです。
先週2011年3月11日午後、東日本大震災が日本の関東、東北地方を襲いました。現在震災から数日が経過し、次第にその震災の深刻な被害状況、そして復旧作業の難航している状況が判明してきました。また一方では日本人の規律の良い助け合い精神、寝ずに作業に当たる専門家の情熱など心温まる話も多くきかれます。
海外からは100を超える国と地域からの援助の申し入れがあり、経済大国と賞賛され、時には海外諸国に経済的支援をする立場であった日本がまさに危機に瀕している中、国際社会からあたたかい手が差し伸べられていることに、日本人として心から感謝申し上げます。
改めまして、今回の震災において被害を合われた皆様に、お見舞いを申し上げると共に、これからの復興への取組みに対し精一杯の激励を申し上げたいと思います。中川コージは何かを代表するわけではありませんが、一人の日本国民として、現在困難な立場におかれている皆様に対し「なにとぞ日本を、日本人を、そして世界を信じがんばってください!」と思いを伝えさせてください。
さて、今回は危機管理の在り方について少しだけ書きたいと思います。
東日本大震災に関する一件では、地震や津波による直接の被害だけでなく、原子力発電所にトラブルが発生するという事態から、間接的に電気エネルギーショート(切れ)問題やメルトダウン(炉心融解・放射性物質の拡散)という日本社会と日本経済に徹底的な打撃を与える問題となってしまいました。地震や津波といった「天災」については責める対象が無く、人間が無力さを感じます。一方で、こうした間接的被害については、「人災」とよばれることがあります。これは、天災がトリガーになって、何らかの管理体制が崩壊し被害を招くために、その管理体制の中枢にいる「人」への批判が集まるためです。
今回については、特に福島第一原発での危機的状況について、首相官邸(対策本部)、経済産業省、東京電力といった主体が、人災をひき起こしたという批判をうけることになりました。いわゆる、リスクマネジメントの能力が欠けていたために一連の間接被害が生じたと批判されているわけです。また、ネット上の個人の発言などでは、「マスコミ各社や野党各政党について、人災と批判ばかりしていないでこれらの主体(とくに官邸・官房)を応援せよ」というような意見が散見されますが、「対策本部主体側が、社会の他組織に協力させるように管理する」のも主体側のリスクマネジメントの一つであるので、リスクマネジメントとは「人災」という災害の現象を示す言葉よりも、もっと広範囲な概念を示しているといえるでしょう。マスコミや野党が協力的にできないのも、首相官邸としてのリスクマネジメント能力が低いといえることです。