長期的なエネルギー不足によって、海外での生産が増えているとは言え、それでも国内の工業生産が落ちればバリューチェーンの構造が上手く成り立たなくなり、国内産業の低迷が避けられません。
これから放射性物質の拡散がある程度抑えられたとしても、反原子力という方向に傾きかねない世論に対して、そもそも天然資源に弱みを持つ我が国としてエネルギー問題をいかに舵取りすべきかの提示をしなければなりません。
これらの問題が長引けば長引くほど、日本の国際的な産業競争力は、目に見えて下がっていくでしょう。
民主党政権での短期的なリスクマネジメントは、明らかな失敗の様相を呈しています、しかし、長期的なリスクマネジメントはまだまだなんとかできるかもしれません。これこそまさに、我が国のこれからの指導者は、今回現場で粉骨砕身の努力をされている専門家・自衛隊の皆さん、そしてボランティアの皆さんの姿を目にやきつけておいて頂きたいとおもいます(僕自身もこれからできることは限られていると思いますが、政治や経済という大きなうねりの中で、自分ができることを災害からの教訓として学ばせていただいたと思います。)
最後になりますが、地震は大きな被害とともに短期的にやってきました。しかし、今回の地震が怖いのはもっと長期的でありました。それは、日本が、世界から賞賛された「経済大国」としての日本が、長期的に崩壊するかもしれない、というトリガー(引き金)になってしまったということにほかなりません。
これからの我が国の統率をし、マネジメントを誰が執行するのかは、落ち着いたところでしっかりと議論することにしまして、今は本当に一人でも多くの方が無事であるように、皆で総力を上げたいと思います。中国のみなさんもネット上では本当におおくの激励の言葉を日本人におくられています。ぜひとも我々日本人が団結して危機を乗り越えていきましょう!
いまこそ「和」のココロを!!
※ご参考:友人からのオススメで、中国内での中国語つぶやきサービス初めて見ました。よろしければチェックしてみてください。何かちょこちょこと、つぶやいてみます。アドレスは、http://t.sina.com.cn/kozijp です。よろしくお願いします。数人でも見ていただければ嬉しいです。
(中川幸司 アジア経営戦略研究所上席コンサルティング研究員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年3月17日