政治的な引き締めと、経済的な緩和という、ブレーキとアクセルがともにグッと押されましたので、アウトプットとしての速度感はこれまでより一層に未知数になりました。これは、中国の領導が「中国的発展」という歴史的にも特異な発展モデルを目指していることの明言であり、また、世界レベルで歴史的なモデルも存在せず、すべてが予測不能な未知数であり、隣国たる我が国としては中国で発生する「具体的な新現象」を今後もさらに注視しなければならないのであります(例えば、原文「国有资本继续控股经营的自然垄断行业,根据不同行业特点实行网运分开、放开竞争性业务,推进公共资源配置市场化。」など。各分野で今後の行方が気になるところです。)
さて、早速、面白そうな経済面の規制緩和を見て行きましょう。
日本でも話題になっているのが、いわゆる「自由貿易特区」構想ですね。(原文「要构建开放型经济新体制,其中包括放宽投资准入、加快自由贸易区建设、扩大内陆沿边开放等三大内容。」)リコノミクスにも関連した目玉企画として、これらの「特区」は、海外資本とのパイプ役として規制がガッツリと緩和された「お試し企画」満載の地区になるはずですので、期待が大きいと思います。日本企業としても中国市場進出(または多国籍展開時における一地域としての中国ブランチセットアップ)に際し、社内リソース、ケイパビリティが特に不足する中小企業にとっては、「特区」の優遇政策は大変な後押しになるでしょう。このブログでも具体的なオトクな「お試し企画」を随時チェックしていきたいと思います。
続いて、金融業関係の規制緩和についてです。
金融業の産業特色として初期投資が大きくなりますので、こちらは比較的大資本むけのお話になりますが、長期的に結構なインパクトを持っていると思います。具体的には、民間での金融機関設立を認められるようになります。(原文「扩大金融业对内对外开放,在加强监管前提下,允许具备条件的民间资本依法发起设立中小型银行等金融机构。」)また金融業における外国資本の規制条件・関連法案も具体的に今後追加で出てくると思いますが、民間資本×(一部)外国資本参画の金融機関が認められるようになれば、国際的な金融業界マップに中国大陸も自由に開放された地域となってくるかとおもいます(中国の金融業市場が世界に開かれる。金融事業者そのものにとっても、他の産業にとっても大きなインパクト)。
中川コージのブログ『情熱的な羅針盤』