――国際翻訳家連盟の副主席になられた経緯をお聞かせください。
国際翻訳家連盟は3年に1度会議を開きます。その理事会は17人の理事によって組織されています。
中国翻訳協会は1987年に国際翻訳家連盟に加盟しました。中国の翻訳界が整いつつあることにともない、私たちは国際翻訳家連盟との関係をさらに強化し、彼らの経験を学ぶよう求められています。
私は理事に選ばれた後、中国翻訳協会が非常に活発であると感じてもらえるよう、国際翻訳家連盟で積極的に活動しました。これに加えて、欧米と中国との交流が増えたことにより、翻訳の需要も大幅に増加しています。そのため、中国翻訳協会は国際翻訳家連盟の重要な会員となりました。
3年前、理事の改選の際、当時の会長が私を6人の執行委員の1人に推薦しました。私はためらいましたが、中国の同僚の多くが引き受けるべきだと励ましてくれました。私の上司も、これは中国の翻訳事業の発展に関わることであり、個人的なことではないと言いました。そこで私は選挙に参加し、当選しました。
これは、中国翻訳協会が積極的に国際交流に参加し、国際社会に深い印象を残している表れだと言えます。
――国際翻訳家連盟の副主席として、どのような仕事をしていますか。
副主席になって、やりたいと考えている仕事はたくさんあります。たとえば、中国の翻訳界をいかにして国際化するか、世界の翻訳界との交流をいかにして密接にするかなどです。その手段の1つが、世界翻訳大会を中国で開催することです。これにより、中国の翻訳者の多くが世界の翻訳者と顔を合わせて交流することができます。中国の翻訳界にとって利するところが大きいでしょう。
今年は北京オリンピックが開催されます。私たちはこの年に中国で翻訳界の「オリンピック」を開き、中国の翻訳事業をさらに発展させるつもりです。国際翻訳家連盟が創立55周年を迎えた今年、3年に1度の世界翻訳大会が初めてアジアで開催されるのです。
――日本の翻訳界に対してはどのような印象を持っていますか。また、何を期待していますか。
日本の翻訳界も国際社会で活発に活動しています。日本にはたくさんの翻訳協会があります。日本は自国の文化を国外に紹介することに成功しています。これは私たちも学ぶべきところです。
私は日本のある翻訳会社と接触したことがありますが、その責任者は日本に長く住むカナダ人でした。翻訳は自国の人だけに頼ることはできません。日本はこの面でとても開放的です。
もちろん、日本の翻訳界に対する希望もあります。それは、アジア地域で活発に活動してほしいということです。国際翻訳家連盟の内部にはヨーロッパ翻訳センター、ラテンアメリカ翻訳センターがあります。しかし、アジアはこんなに大きな人口を有しているのに、翻訳センターがありません。
韓国の翻訳界が中心となり、中国と日本がそれに応えて、アジア翻訳家フォーラムが設立されました。3年に1度フォーラムが開かれ、すでに5回開催されています。しかし、日本の翻訳界は1度も主催したことがありません。日本は主催する条件がもっとも整っている国だと言えます。今後は、日本でも開催されることを望みます。
「人民中国」2008年7月17日