多元的文化とメディア 中国翻訳協会・郭暁勇常務副会長インタビュー

人民中国  |  2008-07-17

多元的文化とメディア 中国翻訳協会・郭暁勇常務副会長インタビュー。

タグ:中国翻訳協会・郭暁勇常務副会長 翻訳大会

発信時間:2008-07-17 15:08:11 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

――メディアは本来、異文化間のコミュニケーションの役割を果たすものですが、メディアが誤解を引き起こしてしまうこともあります。このことについてはどのようにお考えでしょうか。

私たちも気にかけています。メディアが報道のプロセスにおいて理解を促進せず、かえって誤解をつのらせてしまうことがありますが、原因はさまざまです。そこには報道のプロセスにおける本来の意味に対する理解の食い違いが存在します。たとえばある文化が別の文化に対して抱いている蔑視、或いは相手の立場に対する特別な偏見ですが、一般的に相手の文化に対する理解の不足が、往々にして誤解を招く根本的な原因となります。その国の言語、文字に対する理解不足とも直接的な関係があります。その国の言語の文字を把握する能力に欠け、翻訳能力に欠けた記者の報道は、事実との大きな違いを招くことになります。いかなる国のメディアの記者も、駐在している国や地域の真実の状況を反映したいと思ったら、まず現地の文化、言語のエキスパートになる必要があります。まず優秀な翻訳者でなくてはならないということです。

――グローバリゼーションを背景に、英語以外の言語間の翻訳が持つ意義はどこにあると思われますか。中国の海外特派員の状況はいかがでしょうか。

グローバリゼーションが進む今、国際交流とはそれぞれの言語の英語に対する交流であると考えられがちです。国によっては、上流の人々との交流に英語が役に立つかもしれません。しかし社会に深く入り込んで一般庶民と交流するためには、現地の言語を身につけなくてはなりません。伝説のバベルの塔は今日のイラクのあたりにありました。アラビア語を学ぶプロセスにおいて、(言語が混乱して通じないことの象徴とされる)「バベルの塔」の伝説に対する理解が更に深まり、今日私たちが多元的文化を尊重するためにすばらしい啓示をもたらしてくれました。私が先ほど挙げた例も、多元的文化を背景に現地の言語で直接交流を進めることの意義がいかに大切であるかということを説明しています。

中国は人材育成、特に記者の育成に関して比較的業績をあげており、すばらしいジャーナリストであると同時にすばらしい翻訳者がたくさんいます。ますます多くの中国人記者が海外特派員として英語と駐在している国の言語を習得している点も、数十年前とは違います。たとえば建国初期の我が国の多くの特派員は外国語ができず、通訳をつれて活動していました。しかし現在は多くのメディアが海外で取材にあたる記者に、現地の文化と言語をしっかりと身につけることを要求しているはずです。

――中国翻訳協会が主催する世界翻訳大会にどのような期待をしていらっしゃいますか。

中国翻訳協会は中国の翻訳者組織です。メディア関連の仕事をしている人にも多くの会員がいます。今回の世界翻訳大会では、このプラットフォームを通じて、海外特派員を含む国内の会員と海外の同業者とが顔をあわせて交流を促進し、翻訳及び文化を跨ぐ伝達のレベルを高めてほしいと思っています。

「人民中国」2008年7月16日

 

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