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第33回 中国人留学生達の日本での春節
発信時間: 2009-02-04 | チャイナネット

日本にいる中国人・華僑達や中国人留学生たちは、春節パーティーを各地で開催しています(日本には60万人以上の中国人が住んでおり、それ以外に日本国籍を取得した中国人も10万人以上はいます)。そのような集まりには、日本人も招かれて一緒に楽しんでいます。私自身も、1月25日、鳥取大学(鳥取県鳥取市)の中国人留学生達が開催した春節パーティーに招待され、とても楽しいひとときを過ごしました。

鳥取大学では、1991年から中国人学友会が組織され、現在の会員は鳥取大学における中国人留学生のほとんど全員を含む約100名ということです。中国人学友会の前会長の賈瑞晨さん(大学院を本年3月卒業予定)と現会長の巴図さん(大学院生)は、様々な親睦・交流活動を鳥取で行っていると私に説明してくれました。また留学生達の住まいも含めて、鳥取を案内してくれました。

写真1:鳥取大学の留学生会館の前で、賈瑞晨さん(左)、巴図さん(右)と私(中央)

鳥取大学にいる中国人留学生達の活動を聞いて、特にすばらしいと感じたことが三点あります。

第1に、春節、クリスマス・年末に、中国に帰国しないで日本にとどまっている留学生たちで親睦会を開いたり、日本語をうまく話せなかったり、日本の習慣に慣れない(注)新入中国人留学生に対する助言などの活動を行っているということです。特に私費留学生にとっては、(奨学金をもらえる恵まれた留学生もいますが、一般的には、)日本でアルバイトをしないと学業生活が成り立たない場合が多いようです。しかし、日本の地方の場合は良いアルバイト先が少ないという問題もあります。卒業する留学生は新入学生に生活用品を譲ったりして、慣れない環境で、お互いに助け合っている中国人の若者の姿を見ることができました。

(注)鳥取にいる中国人留学生や働いている中国人の皆さんと意見交換をしました。日本について良いことも沢山述べてくれましたが、逆に日本に来て習慣に慣れないで戸惑った点として以下の指摘をしてくれました。

① 日本人の礼儀作法(例:お礼を何回も言うその言い方、やり方)が、中国人にとっては形式的、他人行儀でよそよそしく、時には不快に感じる。

② 中国人が一緒に食事などに行こうと日本人を誘って、日本人が断る場合、その言い方が婉曲的なので、真意がわかりにくい。

③ 日本人とは長くつきあっても、なかなか親しい友達になりにくい。

これらの問題は、多くの中国人からよく聞く指摘でもあり、日本において中国人が一様に戸惑う点でもあるようです。他方、5年も6年も日本に滞在している中国人にとっては、やはり、日本人の考え方、日本のことがよく理解できるようになるということでした。私もそれぞれの点についてはいろいろ考察しましたので、このブログで、それぞれの点について今後検討していきたいと思います。

第2に、中国人留学生達だけで集まるのではなく、日本人もその他の国籍の人も交えて、皆で交流しようという考えで活動していることです。1月25日の春節パーティーも、そのような様々な人達(150人位)が参加して、歌や踊りもあり、大変にぎやかに楽しく行われました。大学の教職員と中国人学生・日本人学生はもとより、鳥取県・鳥取市などの役所で国際交流業務を行っている人たち、中国人留学生に奨学金を提供したり交流活動を行っている日本のNGOの人、中国と交流を行っている町村の関係者や友好団体の人たち、他の国からの留学生たちも含まれていました。

写真2:春節パーティーの模様

写真3:春節パーティーの模様

第3に、昨年6月14日の早朝、鳥取砂丘近くの海岸で中国人留学生達約80名が漂着ゴミを拾い集めるボランティア活動をしたということです。(鳥取には鳥取砂丘という日本では大変珍しい砂丘があります。)この活動は、四川ブン川大地震に、日本人が募金活動に協力してくれたことへのいわば「お礼」「恩返し」として、中国人留学生達の発意で行ったということです。当時の鳥取の新聞や、本年1月16日付の朝日新聞等に、大きく紹介されています。このような活動は、日本人をとても感動させたようです。鳥取在住の日本人達は、このような中国人留学生達の活動を高く評価していると私に述べてくれました。

写真4:ゴミ集めをする中国人留学生達

写真5:ゴミ集めをする中国人留学生達

鳥取に砂丘があるので、鳥取大学では乾燥地についての研究が進んでいます。また、鳥取大学では、内蒙古自治区などでの植林活動の先駆者として有名な遠山正瑛氏が教授として活躍されていました。私も内蒙古自治区には何度も訪問し、大学、日本語学校、社会団体の関係者と交流・協力をしていましたが、若者達も含め多くの人達が環境問題に取り組むために日本と協力をしたいと述べていたことを覚えています。鳥取大学でそのような協力が展開されているのを見て、本当に嬉しく思いました。

日本にいて、中国の習慣を日本に紹介し、また日本の習慣も理解して、交流を進めている中国人留学生たちの姿を見て、大変感心し、とても心強く思いました。学業やアルバイトで忙しいにもかかわらず、日本社会のためにも貢献しようとする中国人留学生は、本当に日本人の尊敬を集めています。日本に長年住んでいる留学生たちは、日本人の感じ方、気持ちも理解して、活動のリーダーシップをとっているということでした。彼らが日中の真の架け橋となって将来活躍することを期待してやみません。

(井出敬二 前在中国日本大使館広報文化センター所長)

「チャイナネット」2009年2月4日

 

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