4月29日、北京を訪問した麻生太郎総理は、北京市内にある国際交流基金・日本文化センターを訪れ、2008年に国際漫画賞優秀賞(注)を受賞した尹川氏と懇談しました。日本でも中国でも漫画、アニメは人気がありますが、両国における違いを考察してみたいと思います。
(注)国際漫画賞は、世界の優れた漫画を表彰するために2007年に創設されました。日本にある実行委員会が選考します。第1回(2007年8月)の国際漫画賞は、李志清氏の「孫子兵法(原題・孫子攻略)」 が、また国際漫画奨励賞にはKAI氏「十五二十」他が選ばれており、第2回(2008年9月)は、国際漫画賞最優秀賞に劉雲傑「Feel 100%(百分百感覺)」 が、国際漫画賞優秀賞に尹川「逝」他が選ばれています。つまり中国は、圧倒的な強さを示していると言えます。
青山剛昌ふるさと館
中国でも日本の漫画、アニメは数多く紹介されています。しかし、中国でまだ紹介されていない日本の漫画、アニメも多いと言えます。
日本の漫画、アニメは以下の種類に分類できると思います。代表的な作品名も掲げました。(中国では、どの分野の漫画、アニメが人気があるでしょうか?)
(1) 近未来のロボット、サイボーグなどの活躍を描くもの:鉄腕アトム、鉄人28号、ガンダム、サイボーグ009,攻殻機動隊(Ghost in the shell)
(2) 子供や青少年がスポーツその他のクラブ活動を通して成長する姿を描くもの:テニスの王子様(テニス)、スラムダンク(バスケットボール)、キャプテン翼(サッカー)、柔道一直線(柔道)、アタックNo1(バレーボール)、巨人の星(野球)、ヒカルの碁(囲碁)
(3) 日本の小学生のふだんの生活を描くもの:ちびまる子ちゃん、ドラえもん
(4) お母さんを中心とした家族のほのぼのとした生活を描くもの:サザエさん、あたしンち(この場合、お母さんは専業主婦である場合が多い)
(5) 思春期の女性の気持ちを描くもの:耳をすませば、おもひでぽろぽろ
(6) 探偵の活躍を描くもの:名探偵コナン、明智少年の華麗なる事件簿
(7) 世間的には悪いことをしている人を主人公にしながら、実は世間の問題を考えさせるもの:ブラックジャック(医者)、ゴルゴ13(殺人)、銭ゲバ(殺人など)
(8) ある職業を取り上げ、その仕事の深さ、職に携わる人たちの真摯な姿を描くもの:おいしんぼ(料理人)、ブラックジャックによろしく(医者)、動物のお医者さん(獣医学部学生)、マッハGOGOGO(カーレーサー)、家栽の人(家庭裁判所裁判官)
(9) 妖怪・お化けなどを描くもの:お化けのQ太郎、ゲゲゲの鬼太郎、千と千尋の神隠し、どろろ
(10) 日本ではなくヨーロッパを舞台にしたような作品(原作者がヨーロッパ人):アルプスの少女ハイジ、ハウルの動く城、フランダースの犬
(11) 中国のお話から着想を得たもの:悟空の冒険、ドラゴンボール
(12) 魔法を使う女の子が主人公:魔女の宅急便、魔法使いサリー
(13) その他、私もよく知らない漫画、アニメや、上記の分類ではあてはまらないものがたくさんあります。