日本も中国も暑い夏を迎えています。中国の皆さんは、どのようにしてこの暑さをしのいでいるでしょうか?地球温暖化防止のため、またエネルギー節約のために、家や職場でクーラーをあまり使わないようにしないといけません。そこで、日本では植物で建物の南側の一部を覆い、「緑のカーテン」を作ることで、強い日射しが部屋の中に入らないようにし、また植物の力をつかって、部屋の温度が上がらないようにするという工夫が試みられています。
「緑のカーテン」
これは日本の伝統や文化、季節の変化を感じ、尊重する日本人の感性と、最近の環境保護、エネルギー節約の必要性が合体したものだと思います。
私が住んでいる川崎市では、「かわさき緑のカーテン大作戦」というキャンペーンを展開しています。2008年から3年間で、公共施設(市役所、区役所、研究所など)で100施設に「緑のカーテン」を普及させる、また市内で3万粒の種子を配布するといった計画をたてています。http://www.city.kawasaki.jp/30/30ryoku/home/ryokuhome/greencurtain.html
「緑のカーテン」を普及する運動をしている団体「特定非営利法人(NPO) 緑のカーテン応援団」の皆さんから教えていただいたことを、今回ご紹介します。(この団体のウェブサイトはhttp://www.midorinoka-ten.com/です。)
マンションでの緑のカーテン
菊本るり子氏撮影(NPO法人緑のカーテン応援団)
「緑のカーテン」とは、アサガオ、ヘチマ、にがうり(ゴーヤ)のように、ツルが伸びて何かに巻き付いて伸びる種類の植物(ツル性植物)で作る、自然のカーテンの事です。葉っぱには、暑い時に沢山の水分を出して、蒸発させています。これを蒸散作用(じょうさんさよう)と言います。これらのツル性植物は、夏の間、「緑のカーテン」をつくってくれますが、秋になれば枯れてしまいますので、冬の日差しを遮ることはありません。
日本の学校の建物でも、緑のカーテンをつくっているところがあり、緑のカーテンのある教室とない教室ではあきらかに温度が違うそうです。2面に緑のカーテンを作った教室の窓側と緑のカーテンがない教室の窓側で比べたところ、約10℃も温度に違いがでたということです。
「緑のカーテン応援団」は、2003年に東京都板橋区で発足しました。最初は任意団体(法人格が無い)でしたが、2007年に法人格(NPO:特定非営利法人)を取得しました。
NPO法人「緑のカーテン応援団」理事長の鈴木雄二氏から御教示いただいたことを以下の通りご紹介します。
「●徒然草を著された兼好法師は、『家のつくりやうは、夏を旨とすべし』と書き残しました。徒然草は1300年代に著され、「日本三大随筆」の一つと評されています。この意は、日本の夏は、暑さも然ることながら、湿度も高く、蒸し暑いことこの上ない。冬の寒さは、重ね着や火鉢などの局所暖房でやり過ごせるが、日本の夏の暑さは服を脱いでも凌げない。だから、風通しや日陰を十分に考えた家を作ることが肝要だ。という意であると解釈しています。