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第35回 中国人留学生の戸惑い①お礼の表現の違い
発信時間: 2009-02-13 | チャイナネット

 本年1月26日付東京新聞の投書欄(注)に、チョウ・セイさんという東京に住んでいる24歳の中国人留学生からの「マナーより本音を」と題する投稿が掲載されました。日本人のマナーは表面的で実質が無いという指摘です(これは、中国の方がよく指摘される内容と言えます)。大変興味深い論点をいくつも含む投稿なので、何回かに分けて紹介し、日本人と中国人の人間関係のあり方の違いという大きなテーマについて考察してみたいと思います。(このテーマは複雑で難しいので、あくまでも私の問題意識、仮説を述べるということでご了解下さい。またいろいろとご異論、反論もあろうと思いますので、ぜひお寄せ下さい。)

(注:「投書欄」というのは、普通の市民が、意見を書いて(テーマは自由)新聞社に送り、それが毎日の新聞に数人ずつ掲載される欄です。原則として、自分の名前を明記します。日本の新聞には殆ど全て、この投書欄があります。比較すれば、中国では、インターネット上の意見を通じて世論動向が認識されているように思います。他方、日本では、インターネットで発表された意見のうち匿名のものは無責任とみられ、むしろ自分の名前を明記した投書欄の意見の方が重視されていると言えると思います。またインターネットを使わない老人なども、新聞社への投書はできるので、幅広い世代の意見を反映している面もあります。)

今回は、この中国人留学生が、まずお礼の仕方で日中が違う点に戸惑っている点についての部分を紹介します。

 

「日本人は、何かお世話になったらお礼をいい、その後も会うたびに『先日はありがとうございました』などと繰り返していいます。外国人としては、私はこの習慣が逆に、人々の仲を悪くすると思います。」

 

短い文章なので、この文章を読んだ日本人には、なぜチョウ・セイさんがそのように思うのか分かりにくいと思います。日本人にとっては、お礼を言うという行為は誉められるべきことであって、何故そのことが批判されるのか分からないのです。他方、私は他の中国人からもいろいろと似た感想を聞くことがあり、それらを総合してみると、以下がチョウ・セイさんが言いたかったことではないかと推測しています。

 

中国人は、親しい間柄では、いちいちお礼を繰り返し言わなくても良い、何回もお礼を言うのはかえってよそよそしい、という感じ方があると思います。

 

また、「人間関係は長期的に続くものであるので、お礼を言ったり(お礼の贈り物を送って)することで、日本人はいわば貸し借り関係をすぐに清算しようとしている」と中国人は感じるようです。それは日本人が好意を受け取っていないと感じられ、場合により、その点に不快感すら感じるようです。これに対して、日本人は、お礼は、最低一、二度は言うべきだし、繰り返し言っても、それは誉められこそすれ、批判されることはない、と思っています。好意を受けたことに対して、それに対する感謝をいろいろな形で表明することは良いことだと思っています。

 

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