◇不思議に少ない中国の銀と銅◇
箸や箒の使い方やビルの案内板が日中間で異なるのは、感覚や習慣の違いからくるものだろう。しかし、スポーツの世界で、金、銀、銅の獲得数は競技の結果であり、感覚とはまったく異なることだ。北京オリンピック開幕まであと1カ月となったが、オリンピックで中国の獲得するメダルの数が、他国とは非常に違うことに気がついた。金メダルが増えているのに、銀、銅が他国に比べて極端に少ないのである。
沿道にびっしり並び聖火リレーに声援をおくる南京市民
オリンピックで中国の金メダルの獲得数は1984年(ロサンゼルス)15個(4位)、1988年(ソウル)5個(11位)、1992年(バルセロナ)16個(4位)、1996年(アトランタ)16個(4位)、2000年(シドニー)28個(3位)、2004年(アテネ)32個(2位)と順調に増えている。このままの勢いでいけば、北京オリンピックではアテネの32個を上回り、金メダルの獲得数は40個前後となり、世界でトップになることは間違いないだろう。
しかし、金メダルは増加傾向にあるのに銀、銅のメダル数はそれほど増えていないのである。ロサンゼルス以降の銀メダルは、8個、11個、22個、22個、16個、17個である。銅メダルは9個、12個、16個、12個、15個、14個で、金メダルが急増しているのに銀、銅は減少傾向にある。
金メダル獲得上位の国は、金が増えれば以下の銀、銅も比例して増加している。4年前のアテネ大会で、金メダルトップのアメリカは金36個、銀、39個、銅27個である。金銀銅それぞれ平均して獲得している。
この大会で3位のロシアは、金27個、銀27個、銅38個と、金、銀、銅のメダルはほぼ同数か下位にいくにしたがって多くなっている。しかし、2位の中国は金32個に対して銀17個、銅14個とそれぞれ金の半数前後と極端に少ない。銀と銅の数を加えても金メダルの数に及ばない状態である。
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