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日中経済協会理事長に聞く 日中関係は新次元へ
発信時間: 2008-12-22 | チャイナネット

米国に端を発した金融危機により、現在、世界経済が後退局面に陥っています。このため、中国の経済成長の原動力の1つであった輸出の伸びが減退し、輸出産業を中心とした景気後退で中国経済全体に影響が出ることが心配されます。こうした中で、中国は内需拡大に軸足を移し、4兆元の財政投入などの景気刺激策による景気浮揚に取り組んでおられます。また、改革の核心である三農問題の解決に本腰を入れ始めており、その成功には世界が注目と期待を寄せています。実需に裏付けられた経済と豊富な人的資源の強みをいかし、地球温暖化や環境保護も含めて、アジア太平洋そして世界の安定に貢献することが期待されています。最近、中国国内の自動車販売の急速な落ち込みや、広東省の輸出産業が不況に陥っているなどの報道に接します。先に発表された4兆元の財政投入による内需拡大策が早期に効果を発揮することを期待しています。

日本はバブル崩壊によって90年代前半に金融機関の不良債権問題が深刻化したため、金融機関の再編と政府による公的資金注入などの対策を講じてきました。こうした努力により、現在、銀行をはじめとする金融機関の財務体質は強化され、また、サブプライムローン問題の直接的影響が欧米に比べて比較的軽かったこともあって、欧米ほど金融分野での動揺は深刻なものになっていないと観測されています。しかし、日本もグローバル経済の一員ですから、世界経済の趨勢から完全に逃れることは難しいかもしれません。自動車産業の生産調整やエレクトロニクス業界の雇用削減など、景気後退に伴う企業のリストラに関する報道が見られます。年間を通してどのような姿になるか、まだ統計が出ていないので分かりませんが、楽観はできないと思います。

現在、政府で補正予算を作成中です。その内容としては、金融対策、雇用安定、景気浮揚など、さまざまな税、財政上の施策が検討されています。日本銀行は、企業に対する金融機関の資金フローをスムーズにするため、金融機関に対して3兆円の低利資金供給を行うことを決定しています。経済産業省では、日本政策金融公庫など政府系金融機関による中小企業融資の拡大や金利引き下げのほか、緊急保証制度によって保証対象業種や金額を拡大し、中小企業が銀行融資を受けやすくする措置をとっています。また、国際貢献面では、11月、ワシントンで開かれた「金融・世界経済に関する首脳会議」で、麻生総理は、新興国に対するIMFによる支援基盤強化のため、日本が1000億ドルの資金融通を行う用意があることを表明しました。

 

――昨年、中国は日本にとって最大の貿易相手になり、日本も中国にとって三番目の貿易パートナーとなりましたが、いま、日中の貿易と経済交流の情勢はどうですか?その中で解決しなければならない問題や将来性のあることは何ですか?

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