ホーム>>中日両国>>視点
景気減速が日本社会にもたらした4つの変化
発信時間: 2009-01-15 | チャイナネット

変化4:プロレタリア文学が人気

日本の出版社イースト・プレスが出版したマルクスの『資本論』の漫画版は、年末年始に日本で飛ぶように売れた。イースト・プレスは、金融危機による影響が最も大きい30歳以上を読者ターゲットに定めていた。

初版は2万5000冊。書店に並んで10日も経たないうちに売り切れ、ベストセラーに躍り出た。この漫画は19世紀のあるチーズ工場の物語を描いている。資本家のロビンは利益だけを求めていたが、過酷な競争の中で苦しい立場に追い込まれ、剰余価値の追求と搾取される従業員への同情の間で苦しみもがいていた。

『資本論』以外にも注目を浴びたのが、プロレタリア文学の名作『蟹工船』だ。プロレタリア文学の代表的な作家である小林多喜二は1929年に『蟹工船』を発表し、死後75年が経ってから再び注目されるようになった。この小説を出版した新潮社の統計によると、販売数は去年から増え始め、4月には7000冊、その後にも5万冊増刷したが、引き続き増刷する可能性もあるという。昨年にはその他の2つの出版社も小説を漫画化している。

 

「『蟹工船』ブーム」という言葉は、2008年の日本の流行語にもなった。リストラの危機に直面している人たちは、自分の境遇を『蟹工船』の中に登場する人たちと照らし合わせ、今年には『蟹工船』の映画も公開されることになっている。

また長野県では『資本論』の勉強会が開かれ、マルクス主義理論を学んでいる人たちも。最近では時事と結び付けて、「世界的恐荒の勃発と金融資本主義の破産」などのテーマについて討論をくり広げている。

「チャイナネット」2009年1月15日

     1   2   3   4   5  


  関連記事
  同コラムの最新記事

· 日本から来た中国磁器

· 日本と中国の「成人式」 新成人の意識づくり

· 日本に最初にパンダを贈ったのは唐の則天武后

· 3Gを機に中国市場に復帰する日本メーカー、機会と挑戦が併存

· 人民日報の駐日記者:過熱する日本の与野党論戦