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金融危機を背景とした中日米関係(4)未来の構想
発信時間: 2009-06-08 | チャイナネット

(3)中国との連携は、日本の知識経済発展のための重要な道筋である。コンピュータ基本OS、OAシステムソフトウェアの面で、日本と米国の間には一定の開きがあるが、こうした差は乗り越えられないものではなく、努力すれば完全に追いつくことができる。CPUチップの製造技術において、日本は米国に対し遜色がない。米国が使用している大量の最先端CPUチップは、みな日本への発注に頼っている。日本の問題はブランドがないことであり、米国のためにOEM生産を行っている。このような状況をどう変えればよいのであろうか?日本がもし自らの力のみに頼るならば、米国がハイエンドにおける利益を得て、日本、ドイツ等技術先進国がミドルエンドの利益を得、その他の国がローエンドの利益を得るという垂直的な技術及びブランドの分業体制を変えることは難しい。しかし、もしも日本が中国との連携策を採って、コンピュータ基本OS、OAシステムソフトウェア、新ブランドのCPUチップを共同開発したなら、現在の体制を変革することができ、技術及びブランドの新たな局面が世界に出現するであろう。

 

中国の技術は日本に劣っているから、この分野で日本と中国が連携したら、日本が損をすると思ってはならない。中国は確かにこの分野では日本より遅れている。両国が共同開発すれば、中国の技術の向上につながるが、しかし、もっと重要なことは、中国と日本が連携した場合の市場である。両国の政策が適切でありさえすれば、両国が有する市場シェアにより、こうした新技術と新ブランドの誕生及び発展が強くサポートされる。技術は必ずしも最も根本的な要素ではなく、市場こそが最重要である。市場が受け入れ、需要があれば、大きな利益が得られ、それをサポートとして技術も自然に向上するだろう。そうすれば、米国が独占している市場からパイを切り取ってくることも可能となる。

 

日本と中国は、このようにハイエンドの利益の一部を享受できるのである。もしそうでなければ、日本の技術がいかに先進的であろうと、世界的なブランドを創造することは困難である。日本は国内市場が小さい上、米国の独占によるプレッシャーがあるため、国際市場開拓は非常に難しい。しかし、中国は国内市場だけで世界の約四分の一強を占める。これに、日本市場を加えれば、理論的には世界の約三分の一の規模に達することが可能である。もし日本が中国と組まなければ、日本は今のミドルエンドの利益しか維持できず、かつ引き続き凋落して行く。両国の連携が実現すれば、中国と日本の市場の大部分、すなわち世界市場の約四分の一を占めることができる。そして、その技術とブランドは、重要な世界的技術及びブランドになるであろう。そしてさらに、アジア等その他の国の市場に参入できれば、世界市場の三分の一のシェアに達するという望みもある。

 

こうした連携において、日本の最大の優位性とは技術的優位性であり、中国の優位性は市場と大量のソフトウェア開発人材、安価な労働力、大きな向上の可能性を持つ工業の基礎等である。もし中日両国がこのような先端的技術とブランドの分野で連携を実現すれば、中日関係の戦略的基礎が強化され、両国関係が悪くなる可能性がさらに抑制されるだろう。

 

3. 米国の長期発展戦略

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