日本経済を取り巻く構造的変化

タグ: 中国 日中関係 日本経済 構造的変化 清華大学 劉江永教授 インタビュー

発信時間: 2010-05-05 11:06:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

清華大学の劉江永教授にインタビュー

■日本経済を取り巻く構造的変化

――昨夏、日本で政権交代が行われました。このことは、今後の中日関係、ひいてはアメリカをも含めた三国の関係にどのような影響を及ぼすと見ていますか。

まず、戦後の日本にとって、今、いかなる大国にも左右されず、けん制されることなく、自主的に日中の友好と協力を推し進める時期を初めて迎えたと思います。

民主党政権は「対等な日米同盟関係」を目指そうとしていますが、その意味するところは、日本は自国の利益と自らの主張や認識に基づいて、自主的にアジア近隣との関係発展を推し進めていくということです。

二つ目、世界規模の構造変化です。金融危機で弱まったアメリカに対して、中国経済は好調を保ち、人民元の地位も上昇し続けています。中国はいずれ日本を抜いて、世界2位の経済大国になり、さらに、2030年頃にアメリカを抜く可能性もあります。まさに、今はアメリカの下降期と中国の上昇期という大きな変化の真っ只中と言えます。

去年、先進8カ国首脳会議の代わりに、主要20カ国G20体制が発足しました。日本は、将来の世界でより大きな空間を手に入れるため、アメリカ一辺倒ではもうやっていけません。

中国の発展が日本にもたらしたメリットに対して、民主党政権をはじめ、自民党の有識者もはっきり理解しています。こうしたマクロ的な変化を背景に、日本は外交上、より大きい空間を手に入れるためにも、中国との戦略的互恵関係の推進に出ることが必要になるでしょう。

――日本は「中国要素」への認識が高くなりつつあるということですか。

その通りです。戦後、アメリカは、日本に軍事面では安全保障、経済面では巨大な市場を提供しました。言い換えれば、日本の成長は金融資本主義を土台にした「アメリカ・モデル」に支えられての成長でした。しかし、そのような「アメリカモデル」は挫折し、短期間に蘇る見込みはありません。

その一方、中国はすでにアメリカを抜いて、日本最大の貿易相手国となっただけでなく、日本の最大の輸出先にもなる見込みです。安全保障のことはさておき、日本は経済において、中国を含めたアジアにより多く依存するという構造的な変化が起きています。

このような利益構造の変化こそ、日本外交の新しい研究課題と言えます。この中で、何よりも注目してほしいことは、中日米3国はいずれも国家モデルの転換期にあることです。

「中国国際放送局 日本語部」より 2010年5月5日

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