アジアの将来はアジア人自らの創意工夫にかかっている

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発信時間: 2010-05-05 11:14:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

清華大学の劉江永教授にインタビュー

■アジアの将来はアジア人自らの創意工夫にかかっている

――多元化や多極化に向けての模索に「東アジア共同体構想」があると思いますが、この中では「主導権争い」という議論も耳にしています。

鳩山首相の提唱された東アジア共同体はとても良い構想だと思います。経済のグローバル化や情報化が進む中、社会体制や価値観の違いを乗り越え、「友愛」精神で、お互いに尊敬しあい、共同利益と協力を求めようということを出発点にしているからです。

そもそも、「主導権争い」なんて、ありえないテーゼです。東アジア共同体は「会社組織」ではなく、ウィン・ウィンの協力を土台に、共同発展を求めるプロセスだからです。

地域協力のメカニズムは多様なルートがあり、多元的であって良い。それぞれの組織はそれぞれの機能を果たし、それぞれの課題に取り組んでいくことです。言い換えれば、「どちらか」ではなく、「どちらも」なのです。各種メカニズムの並存と包容主義こそ「開かれた地域主義」の中身です。

また、イニシアティブという言葉があります。自ら進んで提案する精神を言います。主導権は特定の人や国が支配的な地位に立つことを言うのに対し、イニシアティブは平等な立場にいることが特徴です。

東アジアやアジア太平洋地域の協力は、大国主導で実現できるものではなく、域内の中小国家のある組織「ASEAN」がイニシアティブを発揮してもらい、大国がその背後で歩調を合わせて推し進めてこそ前へと進めることができるのです。

――最後に、東アジアはどのような共同体を目指すべきとお考えですか。

厳密に言うと、「経済・貿易」共同体と「安全保障」共同体の二つの部分が考えられるでしょう。更に「社会文化」の共同体も視野にいれるべきです。

安全保障には複雑な問題が絡んでいます。それゆえ、東アジア安全保障共同体の構築は容易なことではありません。まずは、やりやすい経済や貿易、環境の面などから着手すればよいでしょう。

ASEAN10カ国は数年前、2015年までに、経済、社会文化、安全保障で三つの共同体を構築するという共通認識に合意しました。東北アジアにもきっとこのような共同体が実現できるでしょう。たとえば、その延長線で「10+3」という枠組みの下で、「持続可能な発展のための東アジア経済共同体」、「持続可能な安全のための東アジア安全共同体」、「調和と友愛のための東アジア文化共同体」という三つの共同体構築を目指せば良いと思います。ただ、私はこれには30年ほど時間がかかるのではないかと見ています。

だからこそ、今は既存の枠組みの中で、絶えず改善していくことで新しいモデルチェンジを提案し、新しいコンセプトを打ち出していけばよいと思っています。

たとえば、合理的な安全保障観の提起です。すなわち、持続可能な安全保障観です。従来の伝統的安全保障分野では恒久平和を長期的に維持して行くと同時に、非伝統的安全保障分野において海賊、感染病、テロ対策などの越境的問題の解決に努めていく。こうしたことで各国の安全保障のコストを抑え、安全レベルを引き上げることができる。これはかつてなかったことでもあります。

アジア人はアジアの課題に自ら取り組み、創意工夫をしてこそ、経済、政治、文化・社会を共に発展させることができるのです。(聞き手:王小燕)

「中国国際放送局 日本語部」より 2010年5月5日

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