1年も経たないうちに、日本の政権がまた変わった。与党民主党の新代表・菅直人氏が4日、衆参両院本会議で行われた首相指名選挙を受けて、第94代首相に就任した。「上海証券報」が伝えた。
菅新総理の前職は経済財政担当相であり、現在の日本経済の復興には引き続き円高と主権債務問題という二重の打撃が予想される。このため市場には、日本の新政府は円安を誘導し、厳しい財政ルールを実施するかもしれないとの憶測が飛んだ。
昨年、民主党が政権を執り、約半世紀続いた自民党政権に終止符が打たれた。菅氏は副総理、国家戦略担当相に相次いで就任し、1月には財務相も兼任し、政策決定プロセスで一貫して重要な役割を担ってきた。
ある政界ウォッチャーによると、菅新総理は3つの点で前任者と異なるという。すなわち、円安、増税、財政債権の重視だ。菅新総理は政策方針をまだつまびらかにしていないが、市場では、円高と増え続ける国債の問題について、前任者の鳩山由紀夫氏よりも強硬な態度を取るに違いないとの見方がもっぱらだ。
新総理の就任後には、日本円の動きが変化するだけでなく、財政改革の勢いも一層増大する可能性がある。これには現在の巨額の累積赤字の削減や消費税引き上げ、企業法人税の引き下げなども含まれる。
思い切った改革を断行すれば、日本の公債市場も利益を受け、収益率は低下する。日本の国債市場は菅新総理の政策路線を真っ先に「解読」し、4日には5年もの国債の88回債利回りが0.395%に低下し、2003年8月以来の最も低い水準となった。このことは国債価格の上昇と消費者の国債に対する信頼感が回復してきたことを示している。
現在、日本の公債発行残高は国内総生産(GDP)の2倍に達し、先進7カ国(G7)の中で最も多い。
菅新総理は消費税についての議論を早急に行うよう提言する数少ない閣僚の一人だ。ある分析によると、高齢化社会で増え続ける社会福祉支出の財源として、消費税の引き上げが必要だからだという。
「人民網日本語版」2010年6月7日