11日、東京の民主党選挙本部で会見する菅直人首相(代表) |
日本の第22回参議院選挙は11日に投開票が行われた。昨年の自民党から民主党への政権交代以来、初の全国選挙だ。焦点は連立与党が過半数の議席を獲得できるかどうかだ。
日本時間12時午前0時時点では、民主党の獲得議席は44議席で、連立与党は非改選の66議席と合わせても全242議席の過半数を確保できていない。日本国憲法は、首相指名選挙は衆議院の議決が参議院に優先すると定めている。民主党は参院選で敗北しても政権は失わないが、衆議院は与党、参議院は野党が多数を占めるという「ねじれ国会」によって政権運営が一層困難になるのは必至で、政局の変動性も増すことになる。
■3大原因
民主党敗北の原因は、有権者の信頼を失ったこと、選挙戦術の失敗、消費税引き上げ問題で声を揃えられなかったことが大きい。
菅首相の就任後、内閣支持率は「V字回復」を遂げた。では、なぜ民主党は一カ月後の参議院選で敗北したのだろうか?日本メディアはその原因を次のように分析する。
第1に、信頼の喪失。民主党が昨年の総選挙で公約した子ども手当や高速道路無料化などの政策が、いずれも実際には「割り引いて」実施されたことに加え、トップ2人の政治資金問題や普天間基地騒動によって、民衆は民主党の10カ月間の政権運営に大きく失望した。政権発足前、民主党の主要支持基盤は無党派層だった。日本では有権者のおよそ40%が無党派層だ。今回の選挙では、無党派層の多くから支持を得られなかったことが、民主党敗北の原因の1つだ。
第2に、誤算。消費税という「鬼門」を越えられなかったことも敗北の原因だ。もし与党・政府の業績という中程度の話題を選挙戦のテーマとしていたら、民主党は特にアピールできるものがなかっただろう。そこで民主党はやむを得ず、消費税引き上げという大きな話題を持ち出し、中程度の問題をぼかそうとした。選挙戦後半になって劣勢を悟った民主党は、消費税の話題によるマイナスの影響を取り除こうと方針転換したが、すでに巻き返す力はなかった。
第3に、制御不能。消費税引き上げ問題では、連立与党の国民新党が持論を譲らなかっただけでなく、民主党内部の声も揃えることができなかった。民主党と国民新党は政策が異なる。国民新党は大型景気刺激策の実施を主張しており、消費税引き上げには反対だ。民主党内でも選挙戦中に消費税の問題を持ち出すことに反対する声がある。小沢一郎前幹事長も選挙演説で執行部への不満を漏らした。