日本の第22回参議院選挙は12日早朝に結果が判明した。与党・民主党の獲得議席は44で過半数に至らず、参議院と衆議院で多数派が異なる「ねじれ」状態となった。だが同党の菅直人党首(首相)は同日早朝に、選挙結果を受けての辞任はしないとの姿勢を打ち出した。「経済参考報」が伝えた。
就任してから1カ月余りの新任首相が今直面する問題は、政治的に困難な状況の中で、財政改革や税制改革をどのようにして引き続き推進するか、政府が抱える債務の圧力をいかにして軽減させるか、といったことだ。現在の状況をみると、選挙結果のマイナスを受けて政策の実施が困難になり、経済の二番底リスクが増大する可能性がある。目下、市場は政府の政権担当能力に悲観的な見方をしており、12日には日本株式市場がアジア太平洋市場とは逆に下落し、日本円のレートも投資家の不信感を受けて落ち込んだ。
▽消費税引き上げが民主党失速の主要因
広く各界で、消費税引き上げを提起したことが民主党敗北の最大の原因だとの見方が上がっている。三菱UFJ信託銀行外国為替部門の井上秀明チーフマネージャーによると、民主党政府が消費税が選挙の敗北を招いたと認めるなら、今後は増税ということを軽々しく言わなくなる可能性があるという。
菅総理は選挙に先立って、ますます悪化する公的債務の問題を軽減するために、民主党は消費税率を5%から10%に引き上げることを検討していると述べたが、これが民主党支持率の暴落と選挙への大きな影響をもたらすとは予想していなかった。多くの有権者が、増税は必然だとしても、一気に10%まで引き上げるのは無理があると考えた。
増税論議が国民の心に響かなかったことを受けて、菅総理は投票前に発言を修正し、少なくとも次の衆議院選挙までは消費税を引き上げないこと、つまり3年間は引き上げないと発言したが、こうした首相の立場のぶれが有権者の混乱を招き、不信感を増大させた。また巨額の公的債務の解決について、与党にはっきりした方針のないことが明らかになった。
だが日本の経済界には別の見方もある。最も影響力をもつ総合的な経済団体・日本経済団体連合会の米倉弘昌会長によると、消費税に関する話題が民主党の敗因ではない。選挙結果は菅総理が就任する前の民主党政権の8カ月間に対する評価そのものだ。国の利益を考えれば、民主党政権と次の国会は消費税引き上げの議論を棚上げするわけにはいなかい。