英紙『フィナンシャル・タイムズ』は7月11日、「中国人の好みが日本企業の戦略を左右する」という文章を掲載した。以下はその内容。
トイレについて言えば、日本の水回り設備メーカー・イナックス(INAX)の商品はシンプルなものが多いが、中国が欲しいのは少し凝ったデザインのものだ。
最高級の陶器でできたトイレを上海万博の日本産業館に設置する前、イナックスは便器を金でコーティングした。ここから、製品を調整し、戦略的意義が非常に大きいこの市場に合わせようとするイナックスの姿勢が見て取れる。
「日本人はシンプルで精巧なデザインを好むが、中国の消費者は凝った形や装飾の商品を好む傾向にある」と、イナックスの上海万博担当の川出純子さんは話す。
より多くの日本企業が中国人の好みを考慮するようになっている。例えば、イナックスはバス用品やタイル、便器を中国で生産して数十年になるが、最近になってやっと中国を自動便座、マッサージ付きシャワー室、消臭器、音感知システムなどのハイテクトイレの真の市場と見るようになった。
川出さんによると、これまで中国では日本向けに商品を生産するだけだったが、今では同社は中国市場にますます重視するようになっている。