「カフェや芝居もつくっちゃいます」六渡達郎さん

「カフェや芝居もつくっちゃいます」六渡達郎さん。

タグ: カフェ 芝居 六渡達郎 中国 日本人

発信時間: 2010-08-20 16:18:11 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

■中国との出会い

そもそも北京に来ようと思ったきっかけは?

日本で大学入ったころから東京に出て、大学時代から演劇の舞台の写真をずっと撮っていたんです。チラシやポスター、役者の写真など、いろんなところで写真の需要が少なからずあったので、学生時代から結構忙しく、劇団とか役者さんとかいろんなところとお付き合いがありました。そういう形で写真を撮るようになって、大学を卒業した後しばらく経って、国際交流を兼ねて演劇活動をしていたク・ナウカシアターカンパニーの関係で中国公演をやるという話があって参加しました。

チベットや遼寧省、雲南省など数カ所を巡る全部で3週間くらいのツアーでした。チベットのことを何も知らなかったんですが、標高が高いところで、富士山の上で公演するようなもんだって聞いて、ぜひ行きたいと思ったんです。役者がそういうところでちゃんと芝居ができるのかどうかっていうようなこととかも含めて、とりあえず同行取材しようっていって。

その頃まで中国がどんなところかもよく知らなかったし、しかもこの時訪れたのは北京とか上海ではなくて中国の田舎。その田舎の方に行ったことによって、日本ではもう見られなくなったような風景とか、何かこう日本の都会では見られないような、人間の原動力のようなものを感じたんですね。「なんてフォトジェニックな国なんだ。いつか写真を撮りに行きたい」っていって。これまでもアメリカに行ったりヨーロッパに行ったり、海外旅行はしてたんですけど、初めてのアジアで。なんか日本人とは違うんだけど、でもやっぱりどこかなんかつながってるものを感じたりして、すごく魅力を感じました。これが人生で初めて中国に直接触れた経験でした。

中国辺境ツアーに参加した際に六渡さんが撮影した写真

これが中国との出会いだったわけですね。ではどういうきっかけで実際に北京に来ることに?

その後オリンピックが決まるなど中国経済がどんどん伸びてきて、それとともに日本のメディアが上海取材をしようとか上海の料理を取材しようとか中国に注目し始めたとこもあり、写真の仕事で中国に取材に来るっていうことがあって。その頃になって上海を訪れたり北京に来たりして、街の様子を見ていると、ここでも仕事ができるんじゃないかと。ちょうど日本は経済がだいぶ下り坂になってきたこともあって、拠点を移したら結構楽しいんじゃないかと。それに以前見た田舎、中国の都会じゃない部分を見たときに受けたイメージもあって、北京なり、上海なりに拠点を置けば、また次なる目的に近づけるんじゃないかということがありました。

当時は上海に拠点を置いて仕事しようと思ってたんですが、まあいろいろ考えているうちに、なんか北京の方が歴史的建造物が残っていたり、上海はあまりに都会になり過ぎて、これじゃ東京にいるのと変わんないじゃないかと。あまり情緒を感じない部分があったので、出版物とかメディアに関わる部分は、首都の北京の方がいいのではと総合的に考えて北京にしようと思ったわけです。

北京に来られる時はカフェをやるつもりは全く念頭になかったわけですか?

まったく考えてなかったです。ただ北京に取材に来た時は、故宮の中にスターバックスがあるっていうこととかで。もうなくなってますけど。中国文化の中でコーヒーが浸透していないのに、スターバックスがどういう戦略で中国市場に乗り込んだかっていうのを取材しようとして。結局実現しなかったんですけども、取材しようとして、その下調べできたりとかしてたんです。だから、インタビューをしようとか、そういうのでアポをとったりとかはしてたんですけど。

スターバックスを取材しようと思ったのはどうして?

コーヒーはもともと好きなので、やっぱりお茶の文化であって、コーヒーの文化が浸透していない、そこにどうして進出しようとするのか。それは考えようじゃないですか。何もないからそこはもうマーケットがないと考えるか、それとも何もないからこれからマーケットが伸びると考えるか。それをスターバックスの社長に聞いてみたかったっていうのが大きいです。

故宮のスターバックスに1日ずっといたんですよ。そしたら、やっぱり観光客で白人とかはコーヒー頼むんですけど、中国人の田舎から来たおじいさん、おばあさんは入ってきて、水筒を持ってお湯をくれとか言うんですよ。それを断らずに、お湯をあげてしまうところが中国だなみたいな感じで。やっぱりまだそんなに売り上げも伸びてなかったと思いますし、王府井の北の方に、今もうなくなっちゃったんですけど、やっぱりスターバックスが一軒あったんですけど、がらがらだったんですね。これ大丈夫なのかなって。やっぱり若者の中でも(流行に)よほど敏感な人や、懐具合もいい人などは、ちょこちょこと入ってますが、まだがらがらで。これはどうなんだろうね、伸びていくのかなって。

その後やっぱり2005年に来た時には、すでに太平洋百貨の隣のスターバックスとかは普通に待ち合わせする場所だったり打ち合わせしてたりとかする場所に移り変わっていたので、もう浸透しちゃったんだなって。コーヒー飲む人はすごく増えたと思いますね。

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