広東省には広汽ホンダ、東風日産、広汽トヨタの3大日系自動車メーカーとこれらに付随する部品メーカーが集中している。これらの企業は中国シェアの更なる拡大をはかるため、09年に新たな投資計画を次々と打ち出した。
東風日産は50億元を投じて広州市に年産24万台の新工場を設立する計画である。日産系列の変速機メーカー・ジャトコは4億元を投じて無段変速機の生産能力を年産14万台から38万台に高める。トランスミッションを生産するユニプレスは2億5000万元を投じて工場を新設し、日産自動車への提供能力を強化するとしている。盟和産業は仏山市に生産子会社を設立し、華南地区での自動車内装部品の製造・販売体制立ち上げに着手。これは、同社にとって大連に設立した子会社に次ぐ第2の中国生産拠点となる。
これまで広東省に進出した日本の自動車部品メーカーは、中国の安い労働力を利用して生産コストを下げ、日系の完成車メーカーに部品を提供していた。しかし近年は中国国内の自動車部品メーカーも急速に成長しており、中国メーカーが生産した労働集約型部品は国内の自動車メーカーだけでなく、海外にも輸出されている。このため、すでに進出している、或いは進出を計画している日本の部品メーカーは、安い労働力だけに頼っていては生き残ることができず、自身のコアテクノロジーとハイエンド製品を中国市場にいかに根付かせるかが、避けて通れない課題である。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年8月23日