日本の研究者が開発した世界最初の手で画像に触れることができる3Dテレビシステムが公開された。この「i3Space」という技術を使うと、ユーザーは目の前に浮かんでいる3D画像を自分の思うように動かしたり、押したり、引っ張ったりできる。
画像に「触れる」ことができる3Dテレビは、動作を探知する撮影ヘッド6個を備え、ユーザーの手指の監視をする。手指が画像に触れると、指に付けた小さなクリップが振動する。カメラヘッドがいろいろな角度から監視するので、見落とす場合はそれほどない。
i3Spaceは、日本の独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)の研究者たちが開発したもので、同研究所の広報担当者によると、このシステムはユーザーの動作を識別し、触覚にフィードバックするので、ユーザーは画像に触れたような錯覚に陥るとのこと。
25日に行われた商品の実演説明会では、3Dの地球画像が使用者の操作で、押し広げられたり引っ張られたりし、あたかもゴムボールのようである。研究者たちは、i3Spaceは外科医が手術の前に行う練習に役立つし、また、ゲーム業界でも大きな発展が見込まれるとしている。ひょっとしたら将来いつの日か、「スタートレック」のホロデッキは、この技術を使うことによって、現実のものとなるかもしれない。
i3Spaceは、同研究所が2005年に開発した力感覚提示インターフェイスのジャイロキューブセンサスを採用している。このインターフェイスは、掌の大きさぐらいで、ジャイロとスピン力のフィードバックが行われることで、押したり、引っ張ったり、浮き上がったりする感覚を錯覚させる。9月に行われる日本での最大規模のゲーム開発者会議CEDEC 2010では、同研究所から参加者にこの技術が紹介される。
「人民網日本語版」2010年9月2日