江原館長が喜ばしく感じた、もう一つの出来事がある。先頃、中日関係には波乱が生じたが、その波乱が生じてからの一時期も、日本館への来館者は減少することなく、通常時の水準が保たれ、その来館者の大部分は中国人であった。「人々の成熟度が、本当に、日増しに高まりつつあると感じさせられました」。
多くの中国人が万博という窓を通し、日本についての知識を深めた。しかし江原館長は、日本の地を踏んでこそ、日本という国を深く理解できるのではないかと考える。科学技術の進歩により、日中両国間の時間的距離は益々縮まり、日本を訪れることも益々容易になっていく。中国でも、役人や政界ブレーンだけでなく、民間の「日本ツウ」がどんどん出現してくるだろう。
「万博期間中、千名以上の中国の小学生達が日本館を見学に来てくれました。声を掛けてみると、なんと、彼らの内の70%以上が日本を訪れたことがあると知りました。これはやや特別な例かも知れませんが、もし、日本を訪れたことのある人が増えていけば、中日関係に及ぼす影響も計り知れません。私はその日が一日でも早く来るのを待ち望んでいます」と、江原館長は語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月18日