日本メディアによると、駐中国日本大使は米国、英国、ドイツ、フランス、韓国などの駐中国大使を集め、中国のレアアース輸出規制に関する問題について述べ、これらの国と共同で中国に圧力をかけようとしており、中国のレアアース輸出規制の緩和を要求することがわかった。中国商務部の報道官は10月15日、中国のレアアースの採掘、生産・加工、輸出における管理措置は国際基準と世界貿易の規則に合致するもので、中国はレアアースの輸出を外交手段としないことを表明した。
温家宝総理は欧州訪問の際、中国はレアアースに対し管理とコントロールを行う必要があるが、それと同時に世界のニーズにも配慮しなけらばならず、レアアースを駆け引きの道具にしないことをはっきり述べた。今年に入って商務部が下達したレアアースの輸出割当額は2万4281トンに達し、輸出量は世界一を維持している。
レアアースは不足し、再生不可能な資源で、先端工業と国防工業に必要な原材料である。中国は現在、世界の30%のレアアース埋蔵量で世界の90%以上のニーズに応じているが、長期的に見ればこれを継続するのは難しい。さらに重要なのは、中国のレアアース産業にいくつかの問題があり、レアアースが長期にわたり低価格で輸出されていることだ。また、初期の中国レアアースの開発・利用により環境問題が生じ、レアアース産業は規範化を迫られている。中国政府が近年、レアアースの持続可能な発展を維持するためにレアアースの生産と輸出に対する管理とコントロールを強化しているのは、非難するほどのことではなく、完全に一国の主権範囲内のことである。
レアアースが重要な経済資源で、さらには重要な戦略資源であることは各国ともよくわかっている。米エネルギー政策アナリストのマーク・ハンフリーズ氏は今年7月、国会に提出した『希土類元素:世界のサプライチェーン』の報告の中で、中国、米国、ロシア、オーストラリアのレアアース埋蔵量はそれぞれ世界の36%、13%、19%、5.5%を占めるが、中国のレアアース生産量は世界の97%を占め、その他の3カ国の生産量がゼロであることを明らかにした。これらの国は自国のレアアースを隠し、使用する多くが中国から輸入した低価格のレアアースであるが、その目的は言う必要もないだろう。さらに、多くの国がレアアース購入の目的がすぐに使用することでなく、蓄えるためであることは言うまでもない。
日本はレアアースの主な使用国だが、国内にレアアース鉱はないと言ってもよい。資料によると、日本は10年あまり低価格で高品質の中国のレアアースを大量に購入し、蓄えてきた。専門家は、日本のレアアース貯蔵量は数十年分に達していると分析する。日本の大畠章宏経済産業大臣は、「中国の日本へのレアアース輸出は正常レベルに回復していない」と述べたが、これが過去に低価格で大量輸入していた状態を指しているのであれば、「正常レベル」に再び戻ることは永遠にない。
どの国にも自国の資源を合理的に使用する権利がある。中国は長期にわたり、世界に低価格で大量のレアアースを提供してきた。中国はレアアース産業の発展をよく考えるときを迎えており、国内法や規則に基づき、レアアース産業に対して必要な管理と規制を行った。その主な目的は環境を保護し、持続可能な発展を実現するためだ。このようなやり方は中国の発展に対する責任だけでなく、世界の発展に対する責任でもある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月18日