上海での生活はいかがですか?
中国に15年間滞在し、15カップルの結婚式に招かれ、多くの人とのふれあいができました。田舎の自宅や学校の体育館での結婚式は殊にめずらしかったです。
私たちが老人であることから、みなさん家族のように日々の生活を心配してくださり、暑い、寒い、といっては声をかけてくださいます。殊に、中国の祝日ごとに、端午節にはチマキ、中秋節には月餅と、いろいろな食べ物を届けてくださいます。感謝・感謝の毎日です。
同じマンションで知り合った青年の結婚式で(96年)。現在でも親族のような交流をしているそうだ。
上海に移り住まれて15年、上海の移り変わりを目の当たりにしてどう感じておられますか?
私たちが上海に来た当時と現在とでは、すべてが浦島太郎のようです。
道端の床屋さん。なかなかの手さばき。(96年)
今後の抱負をお聞かせください。
これからも生涯青春で生徒さんに日本語の勉強を通して、励ましを続けていきたいです。
半年にわたる上海万博が幕を閉じた。藤平さんに、その後の上海の様子を聞いてみると、「まだ活気は衰えていない」との返事が返ってきた。ただ一つ気がかりなことがあるという。万博には数多くの市民がボランティアとして参加した。その中にはお年寄りも多く含まれ、朝早くから清掃や地域のパトロールに喜々として汗を流していた。万博の閉幕と同時に、生活の一部となっていたボランティアの仕事が突然なくなってしまうと、お年寄りが生きがいを失ってしまうのではないか心配だというのだ。確かに、お年寄りにとってはボランティアを通じて社会の役に立っているということが、何よりも生活の張り合いになるだろう。公的機関にメンタル面をケアする何らかの対応策をとってもらいたいものだ。
中国では「以人為本(人間本位)」という言葉がよく使われるが、藤平さんの言葉の端々からは人間一人ひとりを大切にする心が伝わってきた。(人民網日本語版記者 小月)
プチアンケート
・あなたの出身地は?
東京都
・中国滞在歴
15年
・一番好きな中華料理は?
杏仁豆腐、小籠包、清蒸海鮮
・中国で一番好きな都市は?
上海
・中国にあって日本にないものを1つ挙げてください。
深い親族の絆
・中国を漢字一文字で表すと?
深
「人民網日本語版」 2010年11月9日