この泥沼から抜け出す方法は誰もが分っている。国内需要を超える過剰な設備を海外に移転すれば済む話である。しかし、トヨタは頑なにも「国内生産を死守する」と公言し、「為替レートの早期正常化を期待する」と述べた。この事は事実上、日本政府に対して、ご丁寧にも「どうぞ為替市場に介入してください」とお願いしているようなものである。
100万台規模の生産力を海外に移転すれば、日本では15万人もの従業員が路頭に迷うことになるだろう。日本政府が税収の優遇政策を取り、資金を提供してまでトヨタを守りたいのはそのためだ。
トヨタは日本経済の縮図である。日本の海外投資から得られる利益が莫大な貿易黒字を上回るようになってから5年が過ぎた。しかし、日本はトヨタと同じように、黒字をもたらしてくれる国民を養わずに、国内で赤字を出しながらも他人の成果をぬくぬくと享受している国民ばかりを養っている。製造業を救うために、日本は国内の金融業と流通サービスを犠牲にし、海外の為替市場の秩序を乱し、新興国を奈落の底に突き落とした。だからこそ、日本は返り咲くこともできなければ、海外からも快く思われないのだ。トヨタ式のやり方を捨てない限り、日本経済は新たなスタートを切ることはできない。(「朝鮮日報」)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年11月17日