楽観を許さないのは、知事選と同日に行われた、普天間飛行場のある宜野湾市市長選で、国外移設を主張する安里猛・前副市長が安次富修・前衆院議員を破り当選したことだ。1月に行われた移設予定先の名護市市長選や9月に行われた名護市市議会選でも、県内移設反対派が勝利している。
普天間問題は解くことの難しい多元方程式だ。移設しない場合、デメリットが3つある。第1に、周辺住民や学校が危険にさらされ続けること。第2に駐沖縄米海兵隊8000人のグアム島移転が開始できないこと。第3に同盟関係を深めるための「日米共同声明」が暗礁に乗り上げることだ。
日本メディアによると、日米は本来、横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議中に首脳会談を行い、「日米共同声明」を発表する予定だった。だが普天間問題が全く進展しないことと、沖縄県知事選を控えていたため、日米共同声明の発表は延期を余儀なくされた。日本の前原誠司外相は来年1月に訪米し、同盟関係の深化に向けて協議をスピードアップするとともに、菅首相の訪米に向けた地ならしをする。日米共同声明には安保、経済、文化の3つの内容が盛り込まれる。米側は普天間問題をうまく解決し、安保問題に終止符を打つことを望んでいる。最近の日米の外交関係を見ると、普天間の難局を突破できるか否かは、日米共同声明の協議と発表のプロセス、菅首相訪米の日程と成果にも関わってくる。年末を前に、「普天間」は再び日本の内政と日米関係のキーワードとなった。
「人民網日本語版」2010年11月30日