
行事の一環として、唐家璇前国務委員(第5期中日友好21世紀委員会中国側座長、中日友好協会名誉顧問)を講師とする『揚州講壇』と、両国の研究者、仏教界代表らが討論する『第2回揚州・奈良鑑真精神フォーラム』が開催された。
唐家璇氏は『鑑真和尚と中日友好』と題して講演し、会場の鑑真図書館講堂には中日両国から約千人が詰めかけ、熱心に耳を傾けた。講演では鑑真が日本に渡った時代の歴史的背景、意義について語った後、日中双方にとって、不屈の「鑑真精神」の重要性は今でも変らず、次世代に引き継いでいかなければならないと強調した。
さらに両国関係が困難に直面している現状は望ましくない、として「友好を堅持するという信念」「戦略的互恵関係の成就」と合わせて、「両国人民の間の友好感情の増進」「違いを認め合った上で大同を求める」「相手の長所を見つけてお互いに学び合う」という民間交流の意義を力説した。
『鑑真精神フォーラム』は揚州迎賓館を会場に開かれ、『鑑真と中日文化交流』をテーマに熱心な意見交換が行なわれた。10人のパネリストのほかに多数の仏教界代表が円形の座席に座り、真剣に討議を見守った。
このほか、揚州市内では鑑真図書館を結ぶ道路に『鑑真路』と命名されるなど歓迎行事が相次いだ。坐像は上海からは車で輸送され、この道路を通ったが、地元では「1250年前、鑑真は一艘の小船で旅立った。30年前は坐像は船で長江を越えた。今回は長江大橋を車で渡ってやってきた」と言う声が聞かれ、特に改革・開放を経て発展した故郷を鑑真に見せることができたと誇らしく感じているようだった。また鑑真路の両側には1500本の桜の苗木が植えられ、将来、3万本に増やす計画だそうだ。