2010年は日中関係においては激動の一年だった。年の瀬を向かえた先日、『国際先駆導報』は駐中国日本大使館の横井裕特命全権公使にインタビューを行い、この一年の中日関係を振り返ってもらった。『国際先駆導報』が伝えた。
(2)釣魚島問題:長期的視野で打開策を探る
Q:今年は中日両国の矛盾点が潜在部分から表面化した一年だったとの見方もありますが、今年の中日関係で最大の困難は何だったと思いますか?
A:まず、私は尖閣諸島(中国では釣魚島と呼ぶ)問題が日中両国の潜在的問題だったとは思っていません。日中両国の体制はもともと異なるものです。隣国として両国の友好関係を築く、これは1972年の国交正常化の原点です。この原点に基づき、これまで日中間においては強固な関係を築き上げてきました。しかし、両国の関係にはもともと多種多様な意見の違いが存在しています。時に、それが最前線に押し出されることがあります。私たちは、これまでにも何度も同じようなことがありました。
Q:釣魚島問題の発生は必然だったのでしょうか、それとも偶然だったのでしょうか?
A:誰と誰の間にも必ず意見の違いはあります。私と私の一番仲のよい友人との間でも、最も親密な家族との間でも、自己と他者である限り、それは避けられないことです。そして、それこそ正常な状態だといえます。両者は意見の違いを強調するのではなく、長期的視野にたって困難を克服することが必要です。
Q:今年の中日両国はこの矛盾を解決するためにどのような点で努力しましたか?
A:ポイントは、両国の関係を意見の違いで壊してしまわないことです。違いを克服するのは容易なことではありません。だからこそ、お互いに相手の立場に立って考えることが必要なのです。日本側からは、中国人がこの矛盾においてどのような立場にあるのかを考えなければなりません。中国の皆さんに知っておいてもらいたいのが、日本人は相手の考え方を大変気にするということです。両国のメディアにも、互いの立場を自国の国民に伝えることで、国民がその矛盾を理解するための一助になってほしいと思います。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年12月27日