稲垣さんの80歳の誕生日と結婚30周年を祝うケーキを桂林の人たちからもらい、嬉しそうにそれを切る稲垣喬方さんと奥さん
80歳という年齢を感じさせない元気な稲垣喬方さんは10月、再び広西省桂林市陽朔県葡萄村にやってきた。現地で働く人々を撮影するのは、これで4回目だ。稲垣さんにとって、ここはもっとも中国の少数民族の人々の、ありのままの素朴な生活を垣間見ることのできる場所である。『桂林日報』が伝えた。
伝統的な民間建築を記録することに惚れて
稲垣さんは、元は東京のとあるテレビ局でカメラマンの仕事をしていた。定年退職後も、彼は大好きな写真を撮り続けることをやめなかった。60年間変わらず、地域の移り変わりを記録し続けていたため、彼は日本では自然主義のカメラマンとして、その名が知れ渡っている。
数十年前、稲垣さんが撮影した、捕まえた昆虫を入れた虫かごをぶら下げている2人の子どもが橋を渡る姿の写真は、日本の教科書のカバーに採用されたこともある。また、彼が40年間撮り続けた京都の町並みの写真は、貴重な歴史資料として重宝されている。政府は彼の写真を元に40年前の町並みを復元し、国の重要文化財として「伝統的建造物群保存地区」に指定し、今では毎年数十万人の観光客がこの地を訪れるという。
稲垣さんが度々、桂林を訪れるのも同じ動機からである。彼は中国が発展し変化していく様を記録したいのだ。
中国との深い繋がり