それにもかかわらず、日本はなぜまだ耐えられるのか?肝心なのは、国債を購入している人である。90%以上の国債は、国民と国内の金融機関が保有している。即ち、水は常に自分のお椀の中で行ったり来たりしていると言う事だ。一方、ギリシャの場合は、75%以上の国債は国外の投資で賄っているため、彼らが一度投売りをしてしまえば、ギリシャは破産を免れない。
日本国民の個人金融資産残高は1400兆円で、国債は973兆円に達する。つまり、国民はまだ政府のために毎年、40兆円あまりを肩代わりする事ができると言うことだ。また、日本の銀行の利息はないも同然で、国債の利息はそれよりも高いため、国民がお金を出すだけの魅力はあると言えるだろう。
そのため、日本はギリシャの轍を踏むことはないだろうが、近からずとも遠くはない。膨大な国債を発行して国家運営を維持する事ができるのは、あと5年くらいだと言う指摘もある。年金の支払に問題が起きれば、手元にお金を一番持っている高齢者は極力支出を避ける。そうなれば、国債を買う人は居なくなり、日本の財政はたちまち破綻するだろう。
日本の財政収入を増やす方法は、消費税の引き上げしかないようだ。日本の現在の消費税はたったの5%で、欧米諸国の15~30%に比べれば、まだまだ引き上げる余地はありそうだ。しかし、「消費税の引き上げ」は日本では地雷のようなもので、それを踏んでしまった首相は政権から引きずり下ろされるのが落ちだ。政府が力不足だから、苦しい生活を強いられていると国民は思っている。その上更に彼らから搾り取ろうとするなど、誰が許すだろうか。菅首相は参議院選挙の際、「いつかは消費税の引き上げを考えなくてはいけない」と言ってしまったばかりに、彼が率いる民主党は選挙で大敗したのだった。(筆者=徐静波)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月13日