1曲の歌が、デビュー以来6年間無名だったシンガーソングライターの植村花菜さんを有名にさせ、日本で最も影響力がある「紅白歌合戦」に初出場させるまでになった。「トイレの神様」という名前のこの歌が最近、中国でも人気となり、中国マイクロブログや動画サイトで多くのネット利用者に転載されている。この歌が伝える強い家族への思いが、「聞くたびに泣かずにはいられない」というほど中国のネット利用者をとらえている。
「トイレの神様」は植村花菜さんが自分の祖母との思い出を歌った歌で、曲の長さは10分近くにもなる。トイレ掃除を嫌っていた子供の頃の植村さんに対して祖母が、トイレには女神様が住んでいる、きれいに掃除をすれば女神様のように美しくなれる、と話した思い出を中心とする内容だ。思春期に入った植村さんは祖母へ反発するようになって「トイレの神様」の話も信じなくなり、最後には祖母から離れて大都会へ出てゆく。仕事の忙しさの中で祖母に会う機会もなくなった植村さんは、祖母の病気の知らせを聞いて帰省するが、祖母の死に目には間に合わず、深く後悔する。過去を振り返った植村さんは、時間が経っても自分が永遠に祖母の愛する孫で、世界がどれだけ変化しても、祖母は自分を一番愛してくれた家族だったことを発見するのだ。
「人民網日本語版」2011年1月13日