中国は「まだ豊かになっていない段階から、奢ってはいけない」
2000年以来、中国のGDPは、イタリア、フランス、イギリス、ドイツなどの先進国をどんどん抜き、2010年には、軽々と日本を抜き、世界2位に君臨した。中国の人々が何代にもわたって思い描いてきた「日本を超え、アメリカを追う」という夢はついに実現したのだ。
中国経済の脅威は中国の人々のたゆまない努力の成果である。経済専門家に言わせれば、「中国と先進国の差は海を隔てるくらい、はるかに大きく開いていた。しかし、一旦道が開かれると、貿易、投資、情報や知識の行き来により、中国はパワーを発揮し優位に立つようになった」。
改革開放以降、WTO(世界貿易機構)に加入し、中国は積極的にグローバル化の仲間入りをした。開放により、国内の改革が進み、経済全体が生産力の向上に大きく後押しされた。なかでも一番決定的だったのは、もとは利益が低いところにあった人的資源が利益の高いところに移動したことである。それにより中国経済は今日の奇跡を成したのである。